インタビュー

まちのかたすみ。「新卒訪問看護師カフェ」イベントレポート【8/26&9/9開催】

新卒訪問看護師カフェ イベントレポート まちのかたすみ。

2023年8月26日(土)に岐阜、9月9日(土)に東京で「新卒訪問看護師カフェ」(「まちのかたすみ。」主催)が開催されました。「まちのかたすみ。」は新卒で訪問看護師になった河村詩穂さん、関口優樹さんを中心に運営されています。前回の記事に引き続き、今回は岐阜および東京で行われたイベントの様子を写真とともにお伝えします。

>>前編はこちら
まちで働く若手看護師への想い 【「まちのかたすみ。」代表 特別インタビュー】

〇「まちのかたすみ。」について
2020年1月に河村詩穂さん、関口優樹さんたちが立ち上げたコミュニティ(2024年7月に現名称に変更)。コミュニティ名には『人と人がふらっと出会い、ゆるく語り合うことで繋がっていく。まるで「まちのかたすみ。」のような場にしていきたい。』という想いが込められています。オフラインやオンラインでさまざまなテーマのイベントを行い、これまでには「デイサービスを語る会」や「新卒訪問看護カフェ」などを実施しており、自分の想いや悩みを話せる場、地域で活動する方々と繋がれる場になっています。
まちのかたすみ。ロゴ

新卒訪問看護師カフェ@岐阜

まずは、8月26日に実施された「新卒訪問看護師カフェ@岐阜」の様子についてご紹介します。

医療法人かがやきの見学

岐阜で行われた新卒訪問看護師カフェは、代表の関口さんが現在働いている医療法人かがやき総合在宅医療クリニックで実施されました。イベントに先立ち、かがやきの見学会も行われました。

かがやきでは訪問看護・訪問診療が行われているほか、重症心身障害児・医療的ケア児のための医療型短期入所や肢体不自由者向けフィットネスを実施できる「かがやきキャンプ」もあります。イベント参加者は、天井の模様を部屋ごとに変える工夫や子どもがドアに指を挟まないための工夫などに興味を持たれていました。

医療法人かがやきクリニック&かがやきキャンプ
医療法人かがやきクリニック(左)と上を向いていることが多い医療的ケア児が自分の場所を把握するために部屋ごとに天井の模様を変えるかがやきキャンプ(右)

訪問看護の楽しさや実務の悩みを共有

新卒訪問看護師カフェには12名の参加者が集まり、「最近の私と訪問看護」というテーマで3グループに分かれて語り合いました。参加者の中には、新卒で訪問看護師になった方はもちろん、訪問看護に興味を持つ看護学生や保健師の方などもいらっしゃり、多様な視点から訪問看護に対する思いを話されました。

新卒訪問看護師語り合いの様子@岐阜

「ほかのステーションの教育体制が気になる」「どのように就職先を探したか」という新卒訪問看護ならではの疑問や、「利用者さんの生活がみられたり、趣味の話を聞けたりすると楽しい」といった訪問看護ならではの魅力が話題にあがり、時間内ではおさまらないほど盛り上がりました。また、グループで話し合った内容は参加者全体にも共有され、共感や気づきの声が上がっていました。

新卒訪問看護師語り合いの様子@岐阜

■新卒訪問看護師カフェ@岐阜に参加した参加者の感想(抜粋)

・「新卒訪問看護師として働いていますが、ずっと抱えていた不安を実際に口に出すことで解消することができました。看護学生の方もいたので、自分の経験を提供できたのも良かったです。今後もこのような良い循環を繰り返し、良い環境を作っていきたいと思いました。」  

・「訪問看護師だけでなく、訪問診療の看護師とも情報共有ができ、勉強になりました。自施設内にも訪問診療はありますが、違う職場だからこそ素直に思っていることや考えていることを共有し合うことができたので良かったです。」  

・「グループワークの内容を共有するときに、どのグループでも同じ話題が出ていたのが印象的でした。訪問看護師として考えていることや不安になっていることが似ていて、安心することができました。」


新卒訪問看護師カフェ@東京

続いて、9月9日に実施された「新卒訪問看護師カフェ@東京」の様子についてご紹介します。

職場を離れ、本音や悩みを打ち明けられる場

新卒訪問看護師カフェ@東京は、帝人株式会社の東京本社で実施され、11名の参加者が集まりました。話し合いのテーマは、「私と訪問看護」&「もっと聞きたい・話したい」。3グループに分かれ、思いを語り合いました。岐阜でのイベント同様、看護学生や病棟から訪問看護に転職する看護師など、さまざまな立場の方が参加されました。

新卒訪問看護師の語り合いの様子@東京

話題は、「病院よりも多くの職種の人と関わることができる」といった訪問看護の魅力や「仕事とプライベートとの切り替え方が難しい」といった悩み、オンコールを一人で待つ不安まで、多岐に渡ります。職場が違うからこそ、初対面だからこそ本音を打ち明けられる空気感もありました。懇親会にも多くの方が参加され、グループワークでは話しきれなかった思いを存分に語り合いました。

新卒訪問看護師の語り合いの様子@東京

■新卒訪問看護師カフェ@東京に参加した参加者の感想(抜粋)

・「イベントに来る前は何を話せばいいかわからず、参加すること自体、少し不安でした。でも、話しやすい雰囲気で、訪問看護についてだけでここまで多くを話せたことは今までなく、とても新鮮でした。」

・「参加するまでは言葉にできない悩みがいろいろありました。でも、同じ境遇の人に話すことで、自分が思っていることや悩んでいることを言語化できました。『自分だけの悩みじゃない』と気づけて、気持ちが楽になりました。」

・私はまだ学生で訪問看護師としては働いていませんが、先輩方の話を聞き、働く具体的なイメージを持つことができました。訪問看護の魅力や楽しさを聞けて、働くことが楽しみになりました。


新卒訪問看護師カフェ@東京の集合写真
新卒訪問看護師カフェ@東京の集合写真

新卒訪問看護師カフェを終えて

イベントを主催した「まちのかたすみ。」の河村さん、関口さんに、「新卒訪問看護師カフェ」を終えての感想を伺いました。

「まちのかたすみ。」代表 河村詩穂さん

河村 詩穂さん今回対面のイベントで、わざわざ遠くから足を運んでくださった方もいらっしゃり嬉しく思います。私が訪問看護ステーションで働いていたころは、ほかのステーションの状況を伺う機会がほとんどなかったので、同じ目線で訪問看護のことを話せる場を提供できたのは良かったです。話し合うことで自分の思いや悩みを言語化できたという参加者や、ほかのステーションの話から気づきを得ている参加者もいらっしゃり、非常に有意義な時間になったと思います。また、私自身も非常に楽しかったですし、思った以上に喋ってしまいました。参加者の皆さんからパワーをもらい、来週からまた頑張ろうという気持ちになりました。


「まちのかたすみ。」代表 関口優樹さん

関口 優樹さん今回のイベントは新卒訪問看護師さんや訪問看護師志望の学生さんの不安や困りごとを解消できたら、という思いで開催しました。新卒訪問看護師カフェは何回かやっていますが、対面でやるのは久しぶりだったので非常に楽しみでした。実際にイベントでは多くの方に集まっていただき、表情や声のトーンをリアルで感じながら語り合えたのは本当に良かったです。最終的には連絡先を交換している人もいて、開催してよかったと思いました。ただ、語り合うことで悩みや不安が緩和しても、「解消」までにはなかなか至らないので、今後も参加してくださった方と継続的に接点を持っていきたいと思います。また、参加者の皆さんの訪問看護への思いを聞き、私自身も訪問看護が好きで始めて、好きでやっているんだと改めて初心を思い出すことできました。私にとってもとても貴重な時間になりました。

* * *

「新卒訪問看護師カフェ」は大盛況のうちに終わりました。訪問看護に興味のある方や、地域で活動する方たちとつながりたいという方は、「まちのかたすみ。」の今後の活動に注目してみてはいかがでしょうか。

・「まちのかたすみ。」 Instagram
https://www.instagram.com/machi.no.katasumi
・「まちのかたすみ。」 X(旧Twitter)
https://x.com/machinokatasumi

執筆・編集: NsPace編集部

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