消毒による手荒れや室内の乾燥…冬場の乾燥対策どうしてる? 【訪問看護師アンケート】
ただでさえ冬は乾燥する季節。頻繁に手洗いや消毒を繰り返す看護師は、特に乾燥による肌荒れに悩まされます。訪問看護師の場合、利用者さんのお宅の乾燥が気になることも。皆さんはどのような乾燥対策をしているのでしょうか? 訪問看護師22人に実施したアンケート結果をご紹介します。
アンケート実施期間:2022年10月25日~11月22日
全員が手指の乾燥が気になっているという結果に
冬場、訪問看護の業務中に肌の乾燥が気になることがあるかどうか調査したところ、全員「ある」と回答。また、全員「手指の乾燥が気になる」という結果でした。「すね」「かかと」が気になるという人も半数程度います。
業務のなかでも、やはり手洗いや消毒をしているときに乾燥が気になるとのこと。入浴介助や自転車・自動車の移動時に気になるという人も数名いました。
乾燥による肌荒れ対策。やはりハンドクリーム&リップクリームの保有者多し
では、皆さんはどのような乾燥対策をしているのでしょうか。
約90%の人がハンドクリームを使用していると回答。リップクリーム、ボディクリームも人気でした。
具体的な対策内容について、以下のような声が聞かれました。
「乾燥肌の症状が強くなる前から保湿対策を行います。業務で自転車に乗るときは、マフラーを巻いたり上着の襟を立てたりして頬や口唇に外気が当たらないようにするほか、手袋も着用します 」(50代)
「水分を少なくとも1日1リットルは必ず摂りますね。日頃使用するハンドローション、クリームはベタつきの少ないものをこまめにつけます。勤務中の顔の乾燥に対してはシアバターをつけていて、ローション、クリーム類は無香料を使っています」 (50代)
症状が出る前の早めの乾燥対策や、業務に影響が出にくい保湿剤のセレクトは参考になります。その他、加湿器を使用している人や、「入浴後の保湿を大事にしている」という人も複数いました。
使用している保湿剤としては、
・ヘパリン類似物質クリーム
・ミネラルオイル・ワセリン等が主成分のクリーム
・ひび・あかぎれに悩む人用のビタミン系クリーム
などが人気でした。
一方で、以下のような声も。
「できる限り移動中にハンドクリームを塗ろうと思いますが、結局朝一しかできません……」(50代)
バタバタと訪問看護業務をこなしているうちに、自分の乾燥対策が後回しになってしまうケースは多いでしょう。回答者のなかには「消毒と同時に保湿できるハンドクリームを使っている」という人もいました。時間がない人は、こうした製品を使用して「消毒時に保湿」する流れを作ってしまうのもひとつの手かもしれません。
訪問看護の利用者さん宅では「お湯・お水をはる」「加湿器の設置」を提案
では、利用者さんの乾燥対策についてはどうでしょうか。回答者のうち95%以上が、「利用者さん宅で乾燥が気になることがある」と答えています。病棟とは異なり、利用者さん宅の温度・湿度環境は簡単に調整できませんが、室内が乾燥していると利用者さんの肌トラブルの原因になってしまいます。
乾燥が気になったとき、どのような提案をしているのか聞いてみました。
「乾燥が気になっても提案しない」という人はゼロ。皆さん何らかの提案をしているようです。「洗面器・バケツ等にお湯・お水をはる」「加湿器の購入・設置」が同点1位という結果でした。
ただし、加湿器については賛否両論。カビを懸念する声が多く聞かれました。
「加湿器は、手入れがされずカビの繁殖に繋がるのですすめません。濡れたタオルを干す、霧吹きで加湿することをすすめています」 (50代)
「ペットボトル加湿器のような手軽で安価なものを提案します。その際、カビ対策についても言及します」 (30代)
「タオルや洗濯物を室内に干すことを提案するほか、カビが発生しないタイプの簡便な加湿製品を提案します。また、自分たちが訪問中、安全を確保したうえで電気ポットの蓋を開けて蒸気をあげることもあります」 (50代)
そもそも加湿器の提案を避けている人もいれば、カビが繁殖しないタイプの加湿器・加湿製品を提案している人も。手入れが行き届かないことを考慮して、利用者さんが安全に少ない負担で続けられる加湿方法をアドバイスしているようです。
「提案してみよう」「実践してみよう」と思えるものがあれば、ぜひ明日からの訪問看護にいかしてみてください。
記事編集:NsPace編集部