【秋の花粉症】ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ。時期と注意点は?
花粉症は、くしゃみや鼻水だけではなく、倦怠感や微熱などの症状が出て生活に支障をきたすこともあります。アレルギー性疾患のため、原因となるアレルゲンを避けることで予防が可能です。花粉症といえばスギやヒノキなど春のイメージが強いですが、実は秋にもアレルギーの原因となる花粉は飛んでいます。
本記事では、秋の花粉の飛散時期や注意点について解説。風邪だと思っていたら花粉症だったケースや、ほかの疾患と混同してしまうケースもあるため、訪問看護のアセスメントに役立ててください。
目次
秋に飛ぶ花粉の種類
秋に飛ぶ花粉の主な種類は、ブタクサとヨモギ(ともにキク科)、カナムグラ(アサ科)です。キク科やアサ科の草花は背丈が低いため、スギやヒノキのような樹木の花粉に比べて遠くまで飛ぶことはありません。数メートル程度の飛距離ですが、住宅街やオフィス街にも自生している身近な植物です。
飛散時期
ブタクサとヨモギ、カナムグラの花粉の飛散時期は、8~10月頃です。特に関東や東北で多く飛ぶほか、関東ではブタクサが12月頃まで飛散するとの報告もあります。そのため、花粉症の症状が強く現れる方は、秋が過ぎてもしばらくは花粉症対策をしておくことが大切です。
花粉症とハウスダストのダブルパンチに注意
ハウスダストやペットの毛などがアレルゲンとなり、季節と関係なく一年中続くアレルギー性鼻炎を「通年性アレルギー性鼻炎」といいます。
花粉症は、ハウスダストアレルギーと同じくアレルギー性鼻炎を引き起こす原因となります(季節性アレルギー性鼻炎)。どちらもアレルゲンが異なるだけで、発症のメカニズムは同じ。通年性アレルギー性鼻炎を持つ方が花粉症を発症すると強い症状が現れる可能性があるため、特に注意が必要です。
花粉症の対応方法
花粉症の原因となる植物が生えているところをあらかじめ調べておくことは難しいもの。以下のような対応を行いましょう。
マスクやメガネを着用する
外出時には、マスクやメガネを着用し、花粉が体内に侵入するのを防ぎましょう。また、花粉が付着した手で目をこすったり鼻の粘膜に触れたりしないよう注意が必要です。
屋内に入る前に服についた花粉を落とす
外出から帰宅した際には、外で付着した花粉を払い落として、室内に花粉を持ち込まないようにしましょう。家の中に入る前になるべく花粉を落とすことが大切です。
花粉が付着しにくい素材の服を着る
上の項目と関連しますが、花粉が付着しにくい素材の服を選ぶことで、家の中に持ち込む花粉の量を減らすことができます。ポリエステルやナイロンなど表面がツルツルした素材は、花粉が付着しにくく、払い落とすのも容易です。
洗顔とうがいをする
外出後や帰宅後には、手洗い・うがい、丁寧な洗顔をすることで、花粉を体内に取り込むリスクを軽減できます。
こまめに掃除する
室内の掃除を定期的に行い、家具や床などに付着した花粉を除去します。特に、布団やカーテンなどの花粉が溜まりやすい場所を重点的に掃除しましょう。
喫煙や飲酒を控える
アルコールは毛細血管を拡張させ、鼻づまりや目の充血などの症状を起こしやすくします。また、喫煙は鼻粘膜に直接刺激を与えるため、花粉症の発症リスクや花粉症自体を悪化させる可能性が高まります。花粉が多く飛散する季節だけでも喫煙や飲酒をできるだけ控えましょう。
無理をせずに早めに治療を開始する
花粉症の症状が現れたら、無理をせず早めに医師の診断を受け、適切な治療を開始しましょう。抗アレルギー薬や舌下免疫療法など、さまざまな治療法があります。個々の症状や重症度に応じて、適切な治療を受けましょう。
>>関連記事
花粉症の基礎知識や治療法についてはこちらの記事もご参照ください。
訪問看護活動に生かす疾患の知識「花粉症」
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花粉症は、微熱や頭痛など風邪と似た症状が現れることもあるため、安易な自己判断は禁物です。訪問看護の利用者さんが花粉症の症状を訴えた場合は、今回解説した内容を参考にして、アセスメントにぜひ役立ててください。
編集・執筆:加藤 良大 監修:久手堅 司 せたがや内科・神経内科クリニック院長 医学博士。 「自律神経失調症外来」、「気象病・天気病外来」、「寒暖差疲労外来」等の特殊外来を行っている。これらの特殊外来は、メディアから注目されている。 著書に「気象病ハンドブック」誠文堂新光社。監修本に「毎日がラクになる!自律神経が整う本」宝島社等がある。 |
【参考】
〇政府広報オンライン「花粉症で悩む皆さま! 早めの治療や予防行動を!」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201102/2.html
2024/8/30閲覧