訪問看護の緩和ケア&看取り 学べる情報まとめ 疼痛管理、家族看護etc.
緩和ケア・看取りのケアは、どんなに経験を積んでもその度に学びをいただけるもの。訪問看護師だからこそできるケアや叶えられる希望があり、やりがいを感じている方も多いと思います。その一方で、ご本人・ご家族にとっての「最善」は何か、悩むことも多いのではないでしょうか。
NsPace編集部にも「緩和ケアや看取りについて知りたい」というご意見を数多くいただいており、これまで多くの記事を公開してきました。今回は、「何から読もう」と迷っている方に向けて、はじめにお読みいただきたい記事をピックアップしてご紹介します。ご本人・ご家族にとってはもちろん、看護師自身もともに豊かな時間を共有できるように、学びを深めていきましょう。
悩むことの多いケアに関する学びを深める
緩和ケアでは、多くの調整困難な苦痛が出現し、その対応や関わりに苦慮します。NsPaceでは緩和ケアを系統的に学んでいただけるように、「がん疼痛」「がん身体症状」「精神症状」「スピリチュアルペイン」についての解説記事をシリーズでお届けしています。
例えば、以下のような記事があります。
事例をとおしてがん疼痛に関する基本的な知識を学べる内容になっています。適切な薬剤調整によって疼痛の緩和、QOLの向上が叶うことがあります。日々関わる看護師が痛みの特徴を知り、痛みをどう聴き、どうアセスメントするかが、医師の効果的な薬剤選択、苦痛が緩和できるかに大きく関わってくるでしょう。この記事も含めて「がん身体症状の緩和ケア」に関する記事は4本あります。ぜひご活用ください。
せん妄は、ご本人・ご家族、支援者にも多大な苦痛や負担を与えてしまうことが多く、在宅療養の継続を断念する大きな要因にもなります。改善できる要因があるにもかかわらず、見過ごされたり、「終末期せん妄」と判断されたりして、介入されずに悪化させてしまうことも。早期の積極的な介入により、せん妄の改善が見込めるため、看護師によるアセスメントが重要です。ぜひ知識を深めていただきたいテーマです。
その他の緩和ケアシリーズ記事は、以下からお読みください。
>>緩和ケアシリーズ一覧
https://www.ns-pace.com/series/palliative-care/
がん性創傷のケア アセスメントと痛み・滲出液・出血・臭気対策(会員限定)
皮膚・排泄ケア認定看護師の岡部美保さんにご執筆いただいた「在宅の褥瘡・スキンケア」シリーズでは、がん性創傷についても症例写真を交えながらケアのポイントを詳しく解説いただいています。創傷がどんどん広がる、浸出液が増える、臭気がつらい…。さまざまなご本人の苦痛、ご家族のケアの負担など、困難を伴うことが多いがん創傷ケア。「少しでもよい方法を」と日々悩みながら工夫されている分野ではないでしょうか。
ターミナル期における家族ケアを深める
緩和ケアでは、ご家族を本人と同等、またはそれ以上に苦痛を抱える「ケア対象」と考えます。訪問看護では、ご家族との関わりに苦慮することも多いはず。家族ケアについて学びを深められるコンテンツをピックアップしました。
終末期の病状を家族が受け入れられないとき、家族の言動を「現象」としてそのまま受け止めて対応することもあるでしょう。しかし、その言動の奥にあるご家族の思いや背景、関係性に焦点を当ててアセスメントとアプローチを重ねると見えてくるものがあります。関わる看護師自身の価値観や感情が影響しているという認識も必要です。
「家族看護シリーズ」では、「渡辺式/支援モデル」を使用した事例展開をとおして、関わりに困ったときの支援の方策を導き出す手法を学びます。シリーズ冒頭では、家族看護に関する総論(家族看護における大切な視点、「渡辺式/支援モデル」についての解説)もありますので、あわせてご覧ください。
>>家族看護シリーズ
https://www.ns-pace.com/series/family-nursing/
【セミナーレポート】ご家族を支えるために看護師がすべきこと -ターミナル期における家族看護-(会員限定)
具体例を交えながら、ターミナル期における家族看護のポイントについて紹介しています。Vol.2のQ&A記事では、訪問看護師が迷いやすい場面に関する具体的なノウハウも紹介されていますので、あわせてご参照ください。これから緩和ケア・看取りのケアに取り組む方にも、知っておいていただきたい内容を学べます。
【緩和ケア座談会 前編】子どもに親の死をどう伝えるか/外国人家族のケア
ホスピスケアに注力している「在宅療養支援ステーション楓の風」の経験豊富な訪問看護師さんたちに普段働く事業所を越えて集まっていただき、座談会形式でお話を伺いました。「子どもに病気や死をどう伝えるか」や「外国人家族への関わり」といった苦慮するテーマに対して試行錯誤の過程も踏まえながらご経験談をお話しいただいており、学びを深められる記事になっています。
看取りとの向き合い方
いよいよ最期が近づいてきたとき、訪問看護師としてどのように対応すればいいのか。特に、訪問看護師になったばかりの方は迷うことでしょう。コラムやセミナーレポートをぜひ参考にしてください。
杉並PARK在宅クリニック院長の田中公孝先生に、家庭医療専門医の視点から、看取りの作法について解説いただいているコラムです。最期の1週間を迎えたとき、どのような説明をご家族にするか。「看取りのパンフレット」の活用方法や、「訪問看護師に期待すること」などについて知ることができます。
【セミナーレポート】看取りの作法 Q&A≪特別先行公開≫(会員限定)
同じく田中先生にご登壇いただいたセミナーのレポート記事も公開しています。セミナーレポートでは、セミナー開催時に寄せられた訪問看護師の皆さまからのご質問への回答も豊富に掲載されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
視点を広げるために役立つ情報
緩和ケアでは、「視点を拡げること」も力になります。ちょっと視点を変えたコンテンツもピックアップしました。
アロマテラピー 代表的な精油&訪問看護での活用法【セミナーレポート後編】(会員限定)
アロマを手軽に活用する方法を学べます。利用者さんやご家族にリラックスいただくことはもちろん、場の心地よさを整えることは、心のケアにもつながります。エンゼルケア時の清拭にアロマを活用することで、ご家族が故人との思い出を振り返る手助けになることも。アロマの基礎知識や具体的な使用方法、注意点、看護師自身のアロマケアについても紹介されています。
【学会レポート】第6回 日本在宅医療連合学会大会「在宅医療を紡ぐ」
在宅分野の学会ではさまざまな活動が紹介されており、同じような悩みを抱えながら活路を見出そうとしている方々から勇気をもらえることがあります。看取り・緩和ケアに関するプログラムの様子もご紹介しています。ぜひ、今後のご参考にしてみてください。
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悩み・苦しむことが多く、時には負担に感じることもある反面、訪問看護師としての醍醐味ややりがい、多くの学びをいただく緩和ケア・看取りのケア。ご本人・ご家族にとっての最善に関われたと思えることが看護師としての大きな力になっていきますよね。学びをとおして、その喜びがより広がっていくことを願って、これからもコンテンツをお届けしていきます。
執筆・編集: NsPace編集部