コミュニケーションに関する記事

訪問看護の呼吸ケア
訪問看護の呼吸ケア
特集
2024年3月12日
2024年3月12日

訪問看護の呼吸ケア 安定期を長く過ごすための療養法・支援方法 基礎知識

在宅酸素機器や在宅人工呼吸器を使用し、在宅で療養する人が増えています。訪問看護師が安心して確実なケアを行えるようになるために、本シリーズでは日々酸素療法や人工呼吸療法にかかわる医療・看護のエキスパートがケアのポイントはもちろん、機器のしくみや管理方法、トラブル対応などをわかりやすく解説します。今回は、慢性呼吸器疾患をもつ利用者さんが安定期を長く過ごすために、訪問看護師が知っておきたい心の持ちようや療養法・支援方法の基礎知識を確認しましょう。 安定期を長く過ごせるためのケアが大切 慢性呼吸器疾患は、増悪、軽快を繰り返しながら緩徐に進行し、それに伴い呼吸困難が増強します。慢性呼吸器疾患患者さんにおいて、呼吸困難は、身体的側面だけでなく精神的・社会的・スピリチュアル的問題を生じさせます。日常生活活動を制限し、役割や趣味、生きがいなどの喪失をきたすため、疾患の治療および呼吸困難の改善を図る医療とケアは重要です。 呼吸困難を軽減する医療としては、例えば慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)であれば、ガイドラインに基づいた吸入療法などの疾患特異的治療、在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)、非侵襲的陽圧換気療法(non-invasive positive pressure ventilation:NPPV)、呼吸リハビリテーションなどがあります。看護ケアとして、患者さんがこれらの治療法や療養法の必要性を理解し、生活に取り入れてセルフマネジメントできるように支援します。 慢性呼吸器疾患患者さんが安定期を長く過ごせるかどうかは、在宅で医療や療養法などをいかにセルフマネジメントできるかにかかっており、訪問看護師の役割はきわめて大きいです。導入編となる今回は、慢性呼吸器疾患患者さんへの支援を行う看護師の心の持ちようと、患者さんの療養生活についてお伝えしましょう。特に、患者さんから「もっと教えてほしい」というニーズのある「息切れを軽くする日常生活動作の工夫」や「呼吸訓練」1)など含めいくつかの必要な療養法や支援について説明します。 なおHOTやNPPVなどの個別の療法については、本シリーズの後発記事で解説します。 >>シリーズ一覧はこちら「訪問看護と酸素・人工呼吸療法」https://www.ns-pace.com/series/hot-hmv/ 看護師が支援を行う上での心の持ちよう 心の持ちようとして皆さんにお伝えしたい内容は次の3点です。 呼吸困難は「呼吸時の不快な感覚」で、主観的な症状です。患者さんが「呼吸困難がある」と言えばSpO2がよくても呼吸困難はあるのです。呼吸困難は身体的側面だけでなく精神的・社会的・スピリチュアル的な側面を併せもった多面的なものであり「Total Dyspnea」といわれています2)。呼吸困難の原因を多面的にアセスメントしていくことが大切です。私たちは、呼吸困難のある患者さんが治療や療養法などのセルフマネジメント能力を身につけることは、患者さんにとって「大きな仕事」であることを理解し、心から応援する気持ちで支援します。患者さんは自己の価値観に基づいて行動しています。すぐにアドヒアランス不良とレッテルを貼るのではなく、患者さんの考え方や価値観、病いに伴う個人の体験の理解が必要であることを認識し、患者さんの療養法や行動の意味を理解します。 患者さんの支援に必要なスキル 患者さんの支援に必要なスキルとして、患者理解、パートナーシップの構築、アドヒアランス・自己効力感へのアプローチがあります。 患者さんを理解する 患者さんの病いの体験やライフヒストリーなどの語りを対話で促進します。しっかりと聴いて、病いの解釈や価値観、患者さんが行っている療養行動の意味や病いとともに生活する中での苦悩を理解します。 パートナーシップを構築する 尊重する、信じる、謙虚な態度、聴く姿勢を示す、ともに歩む姿勢を見せる、熱意を示す、心配を示すなどの「患者教育専門家として醸し出す雰囲気」といわれる態度で接することが大切です3)。患者さんが望む生活に即したテーラーメイドの療養法をともに考える姿勢を大切にしましょう。 アドヒアランス、自己効力感の維持・向上へのアプローチを行う 自己効力感へのアプローチでは、成功体験、代理的経験、言語的説得、生理的・情動的状態の4つの情報を活用すると有効です。具体的に説明します。■ 成功体験自分で「達成できた」という成功体験をもつことです。酸素濃縮装置、携帯用酸素ボンベの取り扱いなど、小さな目標を立てて段階的に行い、自分で「できた」という成功体験を積み重ねていきます。■ 代理的経験自分と同じ状況にある人の成功体験や問題解決方法を知り、疑似的な成功体験をもつことです。例えば、HOT導入により生きがいである畑仕事ができなくなると感じている患者さんに、酸素を使って畑仕事を継続しているほかの患者さんの状況を紹介します。それにより、自分も「できる」という自信をもつことです。■ 言語的説得専門性に優れた信頼できる人から、励まされたり、褒められたりすることで自信を高めることです。例えば、「あなたなら、きっと酸素をうまく使って趣味のゲートボールをすることができますよ」と力強く話すことで、患者さんは「信頼している人からできると言われたのでできそうな気がする」と自信を高めます。■ 生理的・情動的状態課題を実行したときに生理的、心理的に良好な反応を自覚することです。適切な酸素流量の使用により、息切れの軽減を実感してもらいます。それとともに、モニタリングを行い、脈拍やSpO2が安定していることを視覚的に提示し、息切れが少ない状態を称えることで、患者さんは自信を高めます。 療養法を生活に取り入れるための試行錯誤するプロセスを称賛しながら保証し、「待つ姿勢」を大切にします。患者さんが呼吸困難のある中、がんばっておられることに私たちは気づくことが大切です。そして、少しでも行動変容が見られたらポジティブフィードバック、つまり承認・称賛します。 呼吸ケアに必要な療養法と支援 息切れを軽くする日常生活動作の工夫を伝える 日常生活動作(activities of daily living:ADL)の工夫としては、図1のような息切れを増強させる4つの動作、すなわち「上肢挙上動作」「息を止める動作」「反復動作」「体幹前屈姿勢」を控えていただくことが大切です。4つの動作をいきなり説明するのではなく、どのようなときに息切れがあるのか、そのときの動作要領はどのようなものかを患者さんに振り返っていただきます。その後で息切れを増強させる動作を行っている場合は、その原因と工夫(対策)を説明します。 また呼気は、筋収縮がなく呼吸仕事量が少ないため、動作の開始を呼気時に合わせること、動作が早い場合はゆっくり動き適宜休憩を取り入れることを説明します。特に拡散障害が著明な間質性肺炎は、労作時に低酸素血症になりやすい病態を示し、動作要領や休憩を取り入れるように伝えます。 図1 息切れを生じさせる4つの動作 呼吸訓練の指導を行う 呼気排出障害であるCOPDには、「口すぼめ呼吸」の習得は不可欠です。口すぼめ呼吸は気道内圧を上昇させ、末梢の気道閉塞や肺胞の虚脱を防ぎ呼気をスムーズにします。指導方法は図2を参照してください。 患者さんは、息切れがあると一生懸命に息を吸おうとしますが、呼気排出障害による動的肺過膨張により息が吸えずかえって息切れが増強します。息を吐くことで酸素が入ってくると説明し、呼気を意識するように促します。間質性肺炎は呼気排出障害でないため、口すぼめ呼吸は必須ではありません。呼気時間が必然的に長くなることで呼吸数を減少させてしまい、かえって息切れが増強する場合があります。 慢性呼吸器疾患患者さんは、呼吸困難が強い場合、口すぼめ呼吸やゆっくり大きな呼吸はできません。まず看護師は、タッチングや呼吸介助を行い「大丈夫ですよ」と声をかけ不安の軽減に努めます。そして、少し呼吸回数が減少したときに患者さんに呼吸調整を行ってもらいます。例えば、鼻から吸って口から吐くようにしてもらったり、COPDの患者さんであれば口すぼめ呼吸を促したりするとよいでしょう。呼吸困難が軽減したとき、「ご自身で息切れを軽減できましたね」と称賛し、自己コントロール感を高めます。自己で呼吸困難を軽減できた体験は、呼吸困難の再来への不安を軽減し、ADL制限の減少につながります。 図2 口すぼめ呼吸の指導方法 身体活動性の維持・向上を促す 慢性呼吸器疾患患者さんは、息切れによる行動制限によって筋力低下をきたし、さらに息切れが増強するという悪循環をきたします。できるだけ座位時間(sedentary時間)を減らし、少しでも動くこと、散歩は早く歩くのではなくゆっくり長い距離を歩くこと4)が効果的であると説明します。家族を含めて自宅で可能な運動や方法についてともに考えるとよいでしょう。万歩計は、ご自身で自然に目標設定できるため有効です。 精神的・社会的・スピリチュアル的側面への支援 呼吸困難は、病状だけでなく不安や恐怖などにより増強するという悪循環に陥ります。また、できることが少なくなり、役割喪失感や家族から受ける支援の増加などにより自尊感情の低下をきたします。患者さんの病状や療養生活の中で生じているさまざまな感情や思いを傾聴し、よき理解者となり、「訪問看護師さんが来てくれたらホッとする」と思ってもらえるような存在になることが重要です。 自宅には患者さんが大切にしている趣味や価値観を見出すものがたくさんあります。それらの話題や生活の中でがんばっていること、「役割」を見出し、言語化して家族とともに称賛することは、患者さんの精神的な支援になり、自尊感情を高めることにつながります。そして、社会的・スピリチュアル的側面への支援にもつながります。 アドバンス・ケア・プランニング アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning:ACP)とは、将来の意思決定能力の低下に備えて、今後の治療・療養について患者さんやその家族とあらかじめ話し合うプロセスです。在宅は、病院と異なり患者さんがくつろげる場所であり、訪問看護師も患者さんの大切なものを見出しやすい状況にあります。 日々の療養支援の中で、患者さんは何気なく大切にしていることや望む生き方を語ることがあります。この貴重な「想いのかけら」をキャッチし、対話によりピースをつなげながら5)ご家族、医療者と話し合いを繰り返す中で価値観を共有していくことで、患者さんの意思を尊重することができます。 監修・執筆:竹川 幸恵地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター呼吸ケアセンター 副センター長慢性疾患看護専門看護師 編集:株式会社照林社 【引用文献】1)日本呼吸器学会肺生理専門委員会在宅呼吸ケア白書 COPD疾患別解析ワーキンググループ編.『在宅呼吸ケア白書2010』,日本呼吸器学会,2010:17.2)日本呼吸器学会 日本呼吸ケアリハビリテーション学会合同 非がん性呼吸器疾患緩和ケア指針2021作成委員会編.『非がん性呼吸器疾患緩和ケア指針2021』,メディカルレビュー社,東京,2021:25.3)河口照子編.『慢性看護の患者教育 患者の行動変容につながる「看護の教育的関わりモデル」』,メディカ出版,大阪,2018:65-72.4)南方良章.「慢性閉塞性肺疾患患者に対する身体活動性研究の進歩」,日内科学誌 2019:108(12);2554-2560.5)西川満則,大城京子.「コミュニケーションの基本」,『ACP入門 人生会議の始め方ガイド』,日経メディカル,東京,2020:101-114. 【参考文献】安酸史子.『改訂3版 糖尿病患者のセルフマネジメント教育』,メディカ出版,大阪,2021.

訪問看護認定看護師 活動記/関東ブロック
訪問看護認定看護師 活動記/関東ブロック
コラム
2024年3月5日
2024年3月5日

地域がつながる「ケアの駅」【訪問看護認定看護師 活動記/関東ブロック】

全国で活躍する訪問看護認定看護師の活動内容をご紹介する本シリーズ。最終回となる今回は、日本訪問看護認定看護師協議会 関東ブロック、山田 富恵さんの活動記です。コロナ禍での協議会の取り組み、地域住民や介護・医療職などをつなげる「ケアの駅」の設立、地域に向けたACP(アドバンス・ケア・プランニング)の啓蒙活動などについてご紹介いただきます。 執筆:山田 富恵看護学校卒業後、病棟勤務、脳外科急性期病院、クリニックのパート勤務などを経て、子育てをしながら医師会立訪問看護ステーションに勤務。子育て時間を優先し、ワークライフバランス重視で選んだだけのつもりが訪問看護の魅力にはまる。「在宅看護の現場で行われている看護判断や技術を系統立てて学びたい」「それを言語化するための学習がしたい」と感じ、2010年に訪問看護認定看護師資格取得。2014年に日本財団在宅看護センター 起業家育成事業を知って感銘を受け、第1期生として参加。修了後、2016年に起業し、現在アィルビー訪問看護ステーション管理者。2023年より日本訪問看護認定看護師協議会関東ブロック長。 役立つ知識の共有会や交流会を楽しく企画 私が所属している日本訪問看護認定看護師協議会の関東ブロックは、東京都と埼玉県を範囲としています。ブロック委員みんなで知恵を絞り、関心の高い話題について学びつつ、交流も兼ねた活動報告ができるよう、年に2回の研修会と交流会を開催しています。 他ブロックの地域に比べると住民人口が多く、訪問看護認定看護師の人数も一番多いのですが、都市部の特徴なのでしょうか。所属事業所を越えての認定看護師同士の交流は少ないように感じます。私も当初は関東ブロックの委員にお声掛けいただいたことがきっかけで研修会や交流会に参加するようになったのですが、最近の話題に触れたり、日頃の悩みを話せたりと、皆様とつながれることに安心感と刺激をもらえる場です。 私は2023年度からブロック長を拝命したばかりなので、まだ何もお役に立っていませんが、前年度までのブロック長さんたちが大事にしてきたことを繋げていけたらと思っています。 コロナ禍で繋がる訪問看護の力に救われる 認定看護師として事業所を運営していて「本当に良かった!」と思ったのは、コロナ禍で不足していた感染防護具を、地域の訪問看護ステーションや介護事業所へ届ける活動に協力ができたことです。 地域に届けた感染防護具 日本訪問看護認定看護師協議会を通じて日本訪問看護財団からの情報をいただき、有志の協力団体のひとつとして活動をしました。スタッフや利用者さんを守りたいのにマスクや手袋が手に入らなかった日々…。感染防護具をお届けした地域の事業所にも、大変喜んでいただけました。 この感染防護具を届けるプロジェクトの協力団体は、北海道から沖縄まで110ヵ所あまりになったと聞いています。日本全体が感染症への怖さで閉塞感、孤立感を感じていた中で、このような活動に一部でも参加できてつながれたことは、本当に涙が出るほどありがたいことでした。実のところ、地域に貢献するために活動していたというよりも、経営者として管理者として、ひとりぼっちで重圧を感じていた私自身が、この活動によって大きく救われていたのです。品物がある以上に「つながっている」という安心感をいただきました。 コロナ禍当時は大変過ぎて、記憶が飛んでしまっている部分も多くありますが、今思い出すのは、感染防護具の箱を手渡した時の他事業所のスタッフの笑顔、訪問苦労話でスタッフと笑いあった笑顔、「あの時は来てくれてありがとう」とおっしゃった利用者さんとご家族の笑顔です。 「道の駅」のように「ケアの駅」があったら 認定看護師の教育課程を受けるうち、私がやりたいと思うようになったのは地域活動です。訪問看護ステーションを立ち上げ、今の広めの場所に事務所を移転したことをきっかけに、地域住民の方や地域連携職が集まって情報発信ができる場を作りました。観光地への移動途中にひと休みしたり、その地域の情報を得たりできる「道の駅」のようになってほしいという願いから、「ケアの駅」と名付けました。このケアの駅は、地域を走り回るケア提供者や地域の方が、気軽に立ち寄って休息したり、介護・健康情報の共有や相談をしたりすることで、ゆるくつながれる場にしたいと思っています。 元々鰹節屋さんだった風情あるアィルビー訪問看護ステーション 実際には、現事務所に引っ越した約1ヵ月後に新型コロナウイルス感染症の流行が始まってしまったので、2024年2月時点ではまだ一般の方が立ち寄れるようにはなっていませんが、感染対策に気を付けながら情報発信の会は複数回開催しています。 例えば、以下のような内容です。 在宅歯科医師によるオーラルフレイルの講義管理栄養士や企業の調理師によるとろみ剤と調理の工夫に関する講義社会福祉協議会の担当者による後見人制度に関する講義在宅医師による意思決定支援や在宅医療についての講義 また、今年度は都立病院と共同して、地域にACP(アドバンス・ケア・プランニング)を拡げる看護研究実践を行っています。「『人生会議』をしませんか」と題して、カードゲームを体験しながら自分の大事だと思うことを話し合う会を開催しました。また、区民まつりにテントを出して、健康相談窓口をしながらACPの周知活動を行いました。 ACPのカードゲーム区民まつりの様子ケアの駅での在宅歯科医師をお呼びしての講座認知症カフェで出前講座をしている著者 このように書くと順調に進んでいるように思われるかもしれませんが、なかなか思い通りにいかないこともあります。クラウドファンディングに挑戦してもうまくいかなかったり、準備をした会の当日に新型コロナや悪天候の影響で中止したり、会の開催以外は「ケアの駅」スペースは閉めているので広いスペースが無駄になっていたり…。試行錯誤の連続です。でも、広いスペースがあるおかげで、前述の感染防護具の箱を地域の分も含めて多く備蓄することができたので、「どんな経験も無駄にはならない」と自分に言い聞かせています。 私自身も、スタッフに訪問を分担してもらいながら重症者への訪問や緊急時訪問に行っているのですが、管理者業務や土日祝の訪問、地域活動などを頑張れるのは、利用者さんやスタッフのおかげです。在宅療養やお看取りで利用者さんやそのご家族に「本当に良かった」と言っていただけることや、新しいスタッフが「訪問看護が楽しい」と言って働いてくれることなどが、私の栄養になっています。 訪問看護の役割はますます重要に 2023年の総務省の人口推計1)では80歳以上の割合が初めて10%を超え、10人に1人が80歳以上になったそうです。驚いてしまいますね。今後、地域において訪問看護はますます役割が重要になってくると思われます。今現在、訪問看護に従事している方も、これから挑戦してみたい方も、無理と思わず奥深い地域活動や在宅看護にぜひ飛び込んでみてください。また、訪問看護師は一人で訪問することが多いですが、決して一人ではありません。お近くの訪問看護認定看護師や在宅ケア看護師とつながっていただけると大きな力になるのではないかと思っています。 ※本記事は、2024年2月時点の情報をもとに構成しています。 編集: NsPace編集部 【参考】1)総務省統計局.「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」統計トピックスNo.138(令和5年9月17日)https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1380.html2024/2/9閲覧

がん告知・再発等の「悪い知らせ」の伝え方&支え方【精神症状の緩和ケア】
がん告知・再発等の「悪い知らせ」の伝え方&支え方【精神症状の緩和ケア】
特集
2024年2月27日
2024年2月27日

がん告知・再発等の「悪い知らせ」の伝え方&支え方【精神症状の緩和ケア】

身体疾患を抱える患者さんの中には、不安や抑うつ、不眠といった症状を呈し、ケアが必要な方がいます。このシリーズでは主にがん患者さんの事例を中心に、患者さんが訴える精神症状の問題にどう向き合えばよいかを考えていきます。今回は「悪い知らせ(バッドニュース)」が伝えられた患者さんへの対応を考えます。 悪い知らせ(バッドニュース)とは患者の将来への見通しを根底から否定的に変えてしまう知らせのこと1)。伝えられる患者や家族に多大な精神的負担を与えるもので、がん医療においては病名の告知や再発・転移、積極的な治療の中止などがある。 悪い知らせに伴う心の反応 がん医療において、患者さんや家族に病状や予後に関する悪い知らせ(バッドニュース)を伝えることは避けて通れません。現代は死に直面する機会が少なく、自分自身や大切な人が「近い将来、死んでしまうかもしれない」という話を聞くことは、非常に強い衝撃を受ける体験です。 バッドニュースが伝えられた後、患者さんは混乱や不安、落ち込みなどを感じます。これは強いストレスに対する自然な心の反応であり、通常は時間が経つにつれてバッドニュースを受け入れ、落ち着きを取り戻していきます。しかし、中には症状が回復せず、適応障害やうつ病を発症する患者さんもいるため、患者さんの表情や言動をよく観察し、ケアを行っていく必要があります。 伝える側も感じるストレス 基本的にバッドニュースを伝える役割は医師が担いますが、在宅では訪問看護師が病状の変化や療養する場所の選択などに関する説明をしなければならないことも少なくありません。例えば、最期のときが近いと医師から説明を受けている利用者さんや家族に対し、次のような声かけをした経験はないでしょうか。 「どなたか会いたい(会わせたい)人はいらっしゃいますか。早めに連絡したほうがよいと思います」「自力でトイレへ行けなくなったら、病院への入院を希望されますか、それともこのまま自宅で過ごされますか」「葬儀はどのようにするか相談されていますか」など どれも「死」を連想させる声かけで、伝える側もストレスを感じるのではないかと思います。しかし、こうした問いかけをきっかけに患者さんや家族の想い、希望、生活の意向などが引き出されることがあり、大切なコミュニケーションです。だからこそ、患者さんや家族にどう伝え、伝えた後の心理的反応にどう対応するかも含めたコミュニケーションスキルを身に付けておくとよいでしょう。 伝える際のコミュニケーションスキル:SHARE バッドニュースを伝える際のコミュニケーションスキルとして「SHARE」がよく知られています。SHAREは、がん患者さんが悪い知らせを伝えられる際に医師に対しどのようなコミュニケーションを望んでいるのかに関する研究からまとめられたスキルです。患者が望むコミュニケーションの4要素の頭文字をとってSHAREと名付けられました。 4要素を図1に示します。 図1 SHAREの4要素 内富 庸介先生(国立がん研究センター 中央病院 支持療法開発センター長)より許諾を得て掲載 SHAREに関するコミュニケーション研修も実施されています。在宅で医師が利用者さんや家族にバッドニュースを伝える際、訪問看護師もこのSHAREを念頭に置いて支援を行うとよいでしょう。例えば、話し合うときに落ち着いた支持的な環境を調整し、日常生活への病気の影響や気がかりについて付加的な情報を提供するといったことを行います。もちろん、私たち訪問看護師が利用者さんにバッドニュースに関連することを伝えるときにも役立つスキルだと思います。 告知を受けたときから始まる意思決定支援 告知をはじめとしたバッドニュースを伝えられた後、患者さんや家族は残された時間の中で治療や療養場所などさまざまな選択をしていきます。訪問看護師は、利用者さんや家族に寄り添い、彼らの意思決定を支援する役割があります。 看護師が意思決定支援で真のニーズや価値観を引き出すかかわりとして、有効と思われるモデルをご紹介します。それは9つのスキルと30の技法で構成された「がん患者の意思決定プロセスを支援する共有型看護相談モデル(NSSDM)」です。NSSDMは、兵庫県立大学看護学部の川崎優子先生がまとめられたモデルで、「看護師が対応した面談記録の中から患者さんの意思決定プロセスに効果的に関与していた相談技術の構成要素を抽出」2)し作成されています。療養相談の先に意思決定支援があるとの前提で開発されたモデルであるため、訪問看護の場面で応用がしやすいと感じています。 ここではNSSDMで示される9つのスキルを紹介します(図2)。 図2 NSSDMの9つのスキル 川崎 優子先生(兵庫県立大学看護学部 教授)より許諾を得て掲載 意思決定場面においてすべてのスキルを扱うのではなく、患者さんの状況や相談内容に応じて必要な技術だけを段階的に用います。医療者の判断を押し付けるような情報提供にならないように留意しながら、患者さん自身が自分の価値観を自覚し、適切な自己決定を行うように支援する方法です。 今回はDさんの事例を通じて、がん患者さんの最期の療養先選択場面におけるNSSDMを用いた意思決定支援について紹介したいと思います。 事例:Dさん(80代、女性、独居) 5年前より肝細胞がんに対しラジオ波熱焼灼療法を受けていましたが、新たに胆管細胞がんと診断。その時点で本人の希望により化学療法は行わずBSC(ベストサポーティブケア)に移行し、自宅療養を選択されました。 最近になって下肢に著明な浮腫がみられ、Dさんは動くのが困難になってきました。病院の医師から入院をすすめられましたが、本人が「自宅で過ごしたい」と希望したため、訪問診療と訪問看護を開始することに。 病院から在宅へ、移行のタイミングで意思を確認 初回訪問日、Dさんは近所に住む友人に手伝ってもらい、布団からようやく起き上がれるような状態でした。数日前に訪問した医師より現在の病状の説明や今後の療養先の意思確認が行われています。その際、「自宅で過ごす」と話されていることを確認していましたが、看護師も再度Dさんに自身の病状の理解、現在の心理状態、これからへの思いを確認しました。 麻薬に対する抵抗感を確認するため、オピオイド鎮痛薬の使用について聞いてみました。すると「まだ大丈夫。私は弱い薬で効く体質なの。痛みで眠れないことはあるけれど、そのうちよくなるから」とのこと。この話から眠れない程度の疼痛があることや、オピオイド鎮痛薬の使用に抵抗感を持っていることが推察できました。 ほかにも以下の話をうかがいました。 今は病気や自身の身体について知りたい情報は特にない友人の支援を受けながら、このまま家で死を迎え、同世代の友人たちに人の死について考える機会にしてほしいと思っている同じ市内に住む息子には仕事があるし心配をかけたくないので世話にはなりたくない体調がよくなれば自分の身の回りに関することはできるから、今さら知らないヘルパーさんに家に来てもらうのもわずらわしいと感じる NSSDMを用いた意思決定支援の実際 まずは意思決定支援の方向性を見出すため、NSSDMの「スキル1 感情を共有する」を実践しました。Dさんには数年前に亡くなった寝たきりの夫を、息子に頼らず一人で介護されてきた経験がありました。こういった今までの生き方を否定せず時間をかけてうかがいました。 そうするうちに「痛みがあると自分の思い通りに動けないのはつらいけれど、痛み止めを使うことには抵抗がある」との発言があったことから、オピオイド鎮痛薬使用に関する意思決定支援を行うことにしました。 ここからは次の段階です。意思決定に向けて不足している点を補うため、特に「スキル5 患者の反応に応じて判断材料を提供する」と「スキル8 情報の理解を支える」ことに重きを置いてかかわりました。 Dさんは、疼痛が強いにもかかわらずオピオイド鎮痛薬に対する抵抗感があります。その結果、不眠を招き、疲労感が増している状態です。そこで何が抵抗感につながっているのか確認してみると、「麻薬を使用する=症状が悪化している」との思いがあるとわかりました。そこで、近年は薬剤も進化しており、痛みに対し早期から麻薬系の薬剤を使用することが多くなっていると説明しました。すると、「まずは一回試してみようかしら」との言葉が聞かれたので、訪問中に一度オピオイド鎮痛薬を服用しもらうことに。その場で体調の変化がないことを確認し、訪問後に時間をおいて電話でも体調を確認し、不安を軽減するようにしました。 Dさんとの信頼関係が構築できたと考えられた時点で、今後の療養先についてもう少し具体的に明確化するようにしました。Dさんにこれからの療養場所についてうかがってみると、次のような返事がありました。 足のむくみがひどくて、最近は息切れもする夜は心配で眠れないけれど、昼間にその分ウトウトしている以前は絶対に家がいいと思っていたけれど、息子に迷惑もかけられないし、病院や施設のほうがいいのかしらとも思うでも、先生に「家で最期まで過ごしたい」と言った手前、「気が変わりました」とは言いづらい こうした発言からDさんに意思決定の準備が整っていると判断し、最終段階の「スキル9 患者のニーズに基づいた可能性を見出す」を念頭に置いてDさんにかかわるようにしました。例えば、言い出しにくい気持ちを看護師が医師に代弁できることを保証し、改めて自宅と病院(施設)での最期の過ごし方の特徴について具体的に説明しました。また、自分が決めたタイミングで気持ちが変化すればいつでも療養場所は変更可能なことを伝えました。 その後、Dさんから呼吸苦が増強した時点で「入院したい」との連絡があり、訪問してDさんと息子さんの意思を再確認しました。主治医と連携し緩和ケア病棟への入院を調整し、最期は病院で永眠されました。 * * * 医療法第1条第4項には「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、第一条の二に規定する理念に基づき、医療を受ける者に対し、良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならない」と示されています。しかし、バッドニュースを伝えることは、相手が傷ついたり、悲しい思いをしたりすることが予測でき、伝える側も苦悩を抱える作業です。このため、伝えるチームメンバーを周りがサポートし、孤独にならないよう、尊重し合えるようなチームづくりが終末期ケアでは大切です。看護師として自分に課せられた説明義務を果たすと同時に、バッドニュースを伝える場面で助け合える人間関係を大事にしたいと思います。 執筆:熊谷 靖代野村訪問看護ステーションがん看護専門看護師●プロフィール聖路加国際病院勤務後、千葉大学大学院博士前期課程修了。国立がん研究センター中央病院などでの勤務を経て、2016年より現職。2007年にがん看護専門看護師の資格を取得。編集:株式会社照林社 【引用文献】1)Buckman R: Breaking bad news: why is it still so difficult? Br Med J (Clin Res Ed) 1984; 288(6430): p.1597-1599.2)川崎優子著.「がん患者の意思決定支援プロセスに効果的に関与していた相談技術」,兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 2017; 24: p.1-11. 【参考文献】〇内富庸介,藤森麻衣子編.『がん医療におけるコミュニケーションスキル―悪い知らせを伝える』,医学書院,東京,2007.〇川崎優子著.『看護者が行う意思決定支援の技法30 患者の真のニーズ・価値観を引き出すかかわり』,医学書院,東京,2017.〇聖隷三方原病院症状緩和ガイド「E.予後の予測」 https://www.seirei.or.jp/mikatahara/doc_kanwa/contents7/71.html2023/10/20閲覧

最期・お看取りエピソード
最期・お看取りエピソード
特集
2024年2月27日
2024年2月27日

最期・お看取りエピソード【つたえたい訪問看護の話】

訪問看護では利用者さんの最期に関わることも数多くあります。「みんなの訪問看護アワード2023」に投稿されたエピソードから、利用者さんやご家族の最期の希望に寄り添い支援した感慨深いエピソードを5つご紹介します。 「残された時間を一緒に」 最期を看取るという利用者さんの奥様の強い覚悟を受け止めて、無事支援しきったエピソードです。 残された時間がない療養者の在宅療養を受けることを伝え、在宅医に了承してもらった。医師は「明日帰れないかもしれない、ギリギリの状態だ」と話された。翌日、在宅医は民間救急の後ろを走行し、訪問看護師は自宅で準備をした。自宅につくと妻と初対面の挨拶を済ませ、ベッドに移送し酸素吸入、持続点滴等を実施し療養者のケアをした。妻は自宅療養に至った話をしてくれた。面会制限があり毎日電話で話していたが、数日で話せなくなった。最期は家で看取る決意で退院を希望したと話された。「義父母の最期も見送ってきた私の役目だ、その時まで一緒にいたい」と話され妻の強い決意を感じた。親しい人が「ひさしぶり」「カラオケいったなあ」と明るく笑顔で妻や孫を交えて過ごされた。その笑顔をみられてうれしく思った。深夜に「呼吸が止まった」と妻からコールがあり、医師の死亡確認のあと最期のケアをおこなった。妻は「最後に一緒に過ごせてよかった」と話された。 2022年12月投稿 「大切な時間」 残された時間の穏やかな日常をサポートできるのは、訪問看護の冥利なのかもしれません。 退院を機に自宅で最期まで過ごすと決められ、ご依頼をいただきました。優しい奥様と笑顔のご本人様。かわいい猫ちゃん。スタッフの前では、感じていたはずの「痛み・苦しみ・辛さ」マイナスの言葉は心の奥底に封印され、食べたいものを食べて、笑ってお話しされていました。入籍一周年を間近に控えられていたこともあり、「一緒にお祝いしましょうね。」と訪問看護チーム全員でお二人の時間をサポートさせていただきました。2ヵ月もないほどの時間。少しでも寄り添い、お二人の気持ちを穏やかにすることができていたならこれ程幸せなことはないと思います。ご本人様にとって、ご家族にとっていつ訪れるか分からない最期の時間は色々な思いがあふれ出す時間だと思います。「できる限りのことをする。」これがうちの管理者の考え方です。大切な時間を一緒に過ごさせていただいたことにスタッフ一同感謝しています。 2023年1月投稿 「よりみち」 望む最期を迎えられるよう、利用者さんとご家族の希望に寄り添ったからこそ贈られた感謝の言葉だったのだと胸打たれるエピソードです。 ステーションへの帰りによりみちすると、庭に人影があった。「ああ、お世話になりました、四十九日が終わったところです。」草むしりを再開しながら「今年は花が早く咲いているの。姉が早く見せてくれているみたい。」胃がんの末期。腹水コントロールができるなら家にとおっしゃり、ご家族の希望で未告知のまま在宅療養が始まった。「新しい時代が来ましたね。どうなるのか不安でしたが、こうやって自宅で過ごせることが分かって安心した感じです。」ナートした留置針と延長チューブを通り、腹水はペットボトルにドレナージされた。腹水がオレンジ色のころに「最期まで家に居させて。楽に逝かせてほしい。」赤くなったころ「もう長くないと思う。だったらなおさら家族に最期の時期をみてもらいたい。」希望通りに「気がついたら呼吸が止まっていて…」とステーションに電話があった。「姉の生活は見ていて理想でした。」別れ際に妹さんは言ってくれた。 2023年2月投稿 「初めての看取り」 利用者さんに寄り添い心情を汲み取った一言に、利用者さんの心が救われたことが分かるエピソードです。 訪問看護師になってもう13年が経ちますが、未だに1番初めに携わった末期癌の利用者様の看取りは忘れられません。その方はまだ65歳になられたお若い男性でした。その方には内縁の奥様がいて、利用者様の「家で死にたい」との思いを受けて、病院を退院されました。訳ありのお二人にはほかに家族はおられず。私達とケアマネが唯一の縁者でした。緊張の面持ちで家での生活が始まりました。お二人の生活は経済的に厳しい状況であったため、奥様はパートを休むことができず、その間は利用者様が一人になります。奥様のいない間、3回訪問を提案し、体調をみさせていただいていました。初めは緊張して何もお話ししてくれなかった利用者様が、緩和マッサージ行っていた時、奥様との馴れ初めや境遇をお話しくださり、涙を流して、もうすぐ奥様を残して旅立つ自分の情けなさと、独りになる奥様の心配を話してくださいました。「私たちがいますから、奥様は大丈夫です。」と思わずでた言葉に「ありがとう。」と微笑んでくださいました。数日後、奥様の膝枕で、微笑んだお顔で旅立たれました。今でも奥様は事務所に時々お顔を見せてくださっています。 2023年2月投稿 「最期の笑顔に寄り添って」 偶然の中に縁を感じるとともに、投稿者さんを看護師に導いてくれたお父様への感謝も感じられるエピソードです。 訪問看護師の仕事をして23年目。たくさんの出会いがあり、お別れもあった。ある日のこと、午前の訪問先と午後の訪問先は不思議なことに、お二人とも年齢は90代の男性。どちらも奥さんが介護されていた。そしてどちらも男性のお孫さんがそばにいた。手も足も指の色は紫色になり血圧も低く、血中酸素濃度は測定できない。それでも意識はしっかりされていた。午前の方は、お孫さんが子供の頃、学習塾へ送迎をされていたことを奥さんが思い出して話をされた。お孫さんはしっかりと手を握り、「おじいさんわかる?」と声をかけ涙を流された時、頭を持ち上げお孫さんの顔を見てにこりとされた。午後の方はギャッチアップして口腔ケアの後、「Mさん今日もかっこいいですね」と声かけ、すると微笑まれた。奥さん娘さんお孫さんとで記念撮影をした。お二人ともそれが最期の訪問となり、静かに旅立たれた。訪問看護師として人生の最期の時を伴走して、ゴールテープを切られるのを見届けた。2月1日の訪問看護。その日は、私に看護師になることを勧めてくれた父の命日だった。 2023年2月投稿 最期のお別れを共有する存在 看護師は人の生と死に立ち会うことのある職業です。今回は最期の別れのエピソードをご紹介しましたが、旅立つ方にはなるべく心安らかに、見送る方には後悔なく見送れることを願う看護師としての想いが伝わってくるようでした。最期の支援を家族とともにできる看護師の誇りを感じるとともに、別れの儚さや切なさなど、いろんな感情が入り交じる感慨深いエピソードです。 編集: 合同会社ヘルメース イラスト: 藤井 昌子 

ニャースペースのつぶやき 夏
ニャースペースのつぶやき 夏
特集
2024年2月20日
2024年2月20日

在宅で大好きな農作業を…ニャースペースのつぶやき【訪問看護あるある】

自分のペースで農作業を続ける利用者さん 利用者さんの望む日常生活に寄り添えるのは、訪問看護ならではだにゃ! 利用者さんの中には、在宅療養中も長年の趣味や活動を継続したいという方もいらっしゃいますよね。楽しそうに日常生活を送る利用者さんの様子をみるのはうれしいもの。実際に訪問看護師さんから寄せられたエピソードをご紹介します。「90代の心不全の利用者さん。在宅お看取りの方針で、次に憎悪が起これば万が一のこともあり得る状況です。その利用者さんは野菜を育てるのがお好きで、お身体と相談しながら、休み休み農作業を続けています。ここまで動けるのが不思議なくらいですが、『野菜を育ててふるまうのが楽しい』とおっしゃり、ご家族も嬉しそうにその野菜を調理されている。とても素敵だと思います」 ニャースペース病棟看護経験5年、訪問看護猫3年目。好きな言葉は「猫にまたたび」「わかる!」「こんな『あるある』も聞いて!」など、みなさんの感想やつぶやき、いつでも投稿受付中にゃ!>>投稿フォーム

心不全の地域連携&心臓リハビリの重要性
心不全の地域連携&心臓リハビリの重要性
インタビュー
2024年2月13日
2024年2月13日

心不全の地域連携&心臓リハビリの重要性/クリニック医師×訪問診療医師 対談

心不全診療の質の向上を目指した体制づくりとして「心臓いきいき推進事業」が行われている広島県。その土地で連携を視野に交流をしているのが、広島大学医学部同期の医師であるお二人。循環器専門の開業医である上田健太郎先生と、循環器のバックグラウンドをもつ訪問診療医の伊達修先生です。今はまだ数が多くないものの、今後はより一般的になっていくであろう心不全の在宅療養。訪問看護師が知っておきたい心不全の地域診療について、前後編に分けてお伝えします。 前編の今回は、地域医療における医師同士の連携や、心臓リハビリの重要性、ACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)などをテーマにお話しいただきました。 ▼プロフィール上田 健太郎(うえだ・けんたろう)先生上田循環器八丁堀クリニック 院長1994年広島大学医学部卒業後、同大附属病院内科研修医、公立三次中央病院循環器科、広島市立安佐市民病院循環器内科副部長、JA尾道総合病院循環器科部長等を経て2015年より現職。循環器内科専門のクリニックとして、心臓リハビリテーションにも力を入れている。日本循環器学会認定循環器専門医、心臓リハビリテーション指導士、日本高血圧学会指導医。伊達 修(だて・おさむ)先生コールメディカルクリニック広島 副院長1994年広島大学医学部卒業後、県立広島病院、倉敷中央病院、北斗循環器病院、北海道循環器病院等で心臓血管外科医としてキャリアを積んだ後、2016年から地元の広島に戻り内科に転向。広島みなとクリニックを経て2020年より現職。訪問診療医として地域の患者さんに寄り添っている。日本循環器学会認定循環器専門医、日本脈管学会認定脈管専門医、日本外科学会外科専門医。※文中敬称略 広島大学の同期が再会して地域を支える ーお二人は、大学の同期とのこと。まず、現在も含めて先生方のご関係について教えてください。 上田:大学時代はお互いに顔を知っている程度の関係でした。その後、伊達先生が心臓外科に進み、北海道で長く働いていたところから、広島に帰ってこられた。研究会で精力的にほかの先生と連携なさっている姿を見て、ぜひ自分も地域診療の未来を見据え、交流を深めていきたいと思ったんです。現在はまだ、飲み会での交流が中心ですが(笑)。 伊達:この前も交流しましたね(笑)。循環器内科の領域でいうと、上田先生は私の大先輩。外来の進め方や薬の使い方を教えてもらったり、地元の先生方を紹介していただいたり、とても心強い存在です。 ー伊達先生が、訪問診療へ軸足を移されたきっかけについても教えていただけますか? 伊達:札幌で心臓血管外科医として手術をする傍ら、地方の循環器系の医師がいないエリアの病院へ診療応援にも行っていたんです。そのとき、心不全の患者さんが家に帰れるようにするためには、循環器訪問診療が重要だと感じました。それで広島に戻り、手術室を離れて患者さんを診るようになったんです。 訪問診療車に乗る伊達先生 上田:通院メインのクリニックで診療を行っている私と、訪問診療を専門に行っている伊達先生とで、心不全の在宅診療推進に向けて連携をはかっていきたいと考えているところです。広島県全域でも、地域医療で心不全を診ていこうという動きがあります。 心不全の地域医療連携を広島市から ー広島県・広島市の地域全体でも、地域連携の機運が高まっているのでしょうか? 伊達:広島大学病院が中心となって、「地域連携・心臓いきいき推進事業」を行っています。講習会には訪問看護師さんや薬剤師さん、ケアマネジャーさん、訪問リハビリのセラピストさんなども積極的に参加なさっています。その影響もあって心不全の基本的な知識について興味をもっている人が多い印象ですね。心不全の地域医療を推進していく素地は整ってきているのではないでしょうか。 上田:それに加えて広島市はコンパクトな街ですので、住宅街から都市部への距離はそれほどありません。地理面からも連携をとりやすいと感じています。さらに県内の医学部は広島大学だけなので、広島市内でいえば医師同士、非常に連携しやすい。他大学出身の先生も広島大学の医局に入れば顔見知りになりますから。 理想は、クリニックと訪問診療の並走 ー上田先生が、訪問診療との連携を始めたいと考えるようになったきっかけについて教えてください。上田:私がクリニックを開業して8年が経ち(2023年11月現在)、患者さんも年齢を重ねてきています。なかには自力での通院が難しくなっている方や、コロナ禍を経て通院が途絶えている方もいらっしゃる。そうなるとADLも下がってくるし、心臓のコントロールもしにくくなってしまいます。 上田循環器八丁堀クリニック 当院は通院がメインのクリニックなので、今後はよりしっかりと往診専門の先生に連携をお願いする必要があると思っている段階ですね。伊達先生にもお願いができればと考えているところです。 ただ、いつも迷うのは「患者さんがどのような状態・タイミングのときに紹介するのが良いのか」という点。訪問診療医の視点から、どのように考えていますか? 伊達:ご配慮をいただいてありがとうございます。私としてはぜひ、早い段階から患者さんの情報を共有してもらえるといいなと感じています。もしかすると、専門クリニックから訪問診療医に「バトンタッチする」イメージかもしれないんですが、しばらくの間は「並走」できるのが理想ではないかと考えています。基本的な疾病管理は専門クリニックでしていただいて、日々の変化は私たちで診る、と役割分担できれば、患者さんの小さな変化にも気づきやすくなって、結果的に再入院の回避にもつながるのではないでしょうか。こんなふうに専門医もチームに引き入れて在宅診療を進めていきたいと思っています。 上田:なるほど。それなら、早々に連携をスタートした方が良いですね。あとで具体的な相談をさせてください。 伊達:ぜひお願いします。ところで、上田先生のクリニックでは開業時から心臓リハビリにもかなり力を入れておられますよね。強い想いがあって始められたのではと思っているのですが。 救命だけでなく、心臓リハビリも重要 上田:卒後5~6年目のとき、冠動脈2枝同時閉塞で夜間運ばれてきた30代の患者さんをなんとか救命しました。良かった、これで治った……と、思っていたのですが、1年後くらいに心不全で再来院なさった。そのとき「ステントを入れるだけでは駄目なんだ」ということを強烈に思い知らされたのが原点です。いくら救命しても、患者さん自身に「心筋梗塞はこんな病気です、薬は大切です、こんなことに気をつけましょう」というポイントを理解してもらわないと、心臓はもたないんだと痛感しましたね。 尾道総合病院時代の上田先生(左) その後、心臓リハビリに力を入れている総合病院に勤務することになり、患者さん同士がコミュニティを作ってオリエンテーションで交流をはかったり、勉強会を開いて自己研鑽なさったりしているのに驚きました。 伊達:そんなコミュニティがあるんですね。素晴らしい。 上田:そうなんですよ、驚きました。その経験があったので、自分が開業するときには心臓リハビリもできるクリニックにしたいと考えたんです。患者さん同士で「つらいのは自分一人じゃない」と共感し合えればいいなと思って始めました。 ー訪問診療に切り替える場合、心臓リハビリはどのようになさっていますか? 上田:過去に訪問診療に移行した患者さんのケースでは、訪問リハビリと情報連携して切り替えを行いました。運動療法はやめてしまうと効果ががくんと落ちるので、継続してもらえるやり方を模索していきたいですね。 伊達:心臓リハビリについても、私たちの連携によって叶えられることがありそうですね。 ACP(人生会議)の重要性を感じる機会が増えた 上田:私が伊達先生に聞きたいなと思っていたことのひとつが、ACPについてです。 伊達:訪問診療への移行とACPは切っても切り離せないテーマですね。 上田:私のクリニックでも高齢の患者さんが増えてきて、ACPの重要性を感じる機会が多くなりました。悪くなることを想定すると患者さんはなかなか頑張れない、でも心臓が限界を迎えるときは必ず来る。エンディングノートがメディアで取り上げられることも増えているので「自分はこうしたい」とはっきりおっしゃる患者さんもいて、そういう方は非常に助かります。でも、認知症が始まるとそれも難しいですよね。伊達先生はどんなタイミングでACPに必要な情報をヒアリングしておられますか? 伊達:在宅診療に移行するタイミングで私たちが介入するケースが多いので、初回、顔を合わせたときにお話をうかがうことが多いですね。できるだけ診療時間をとって、会話のなかで患者さんの価値観に触れられるよう対話を心がけています。それから、訪問看護師さんや訪問リハビリのセラピストさんたちに日常的な会話を通してさりげなくヒアリングしてもらい、フィードバックをお願いしています。看護師さんやセラピストさんは一定時間患者さんと一対一で話をしながらケアを行うので、患者さんも心を開きやすくACPにかかわる情報をたくさん開示してくれますね。 上田:ああ、とてもよくわかります。当院の心臓リハビリは看護師が担当しているんですが、短い診療時間では到底聞けないような話を患者さんから引き出してくれるんです。ACPを考える上で、本当に助かっていますね。 伊達:そうなんです。看護師さんやセラピストさんなしでは成り立たないと感じることが本当に多い。看護師さんやセラピストのみなさんが集めてきてくれた情報から患者さんの価値観・人生観が見えてきて、ACPを形作っていくイメージでしょうか。ただ、きちんとしたフォーマットで第三者が一目見てパッとわかる形にまとめるところまではできていないので、それは今後の課題だと思っています。 >>後編はこちら心不全の在宅移行と緩和ケアの課題&展望/クリニック医師×訪問診療医師 対談 ※本記事は、2023年11月の取材時点の情報をもとに構成しています。 取材・執筆・編集:YOSCA医療・ヘルスケア

ほっちのロッヂイベントレポート「私たちのWell-beingとケアと文化、現在地の語らい」
ほっちのロッヂイベントレポート「私たちのWell-beingとケアと文化、現在地の語らい」
インタビュー
2024年1月30日
2024年1月30日

「私たちのWell-beingとケアと文化、現在地の語らい」【イベントレポート】

2023年9月25日(月)に開催された、「軽井沢町。2023年。私たちのWell-beingとケアと文化、現在地の語らい」。長野県軽井沢町にある「診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ(医療法人社団オレンジ)」が主催し、全国からケア現場でのWell-being(ウェルビーイング)について語りたい人たちが集まりました。看護師を含め、ケアの現場で目の前の人たちのWell-beingを願いながら活動する人たちが、Well-beingについて正面から語り合う貴重な場でした。 本イベントは、ほっちのロッヂ共同代表の藤岡 聡子さんの司会のもと、大きく3つのセクションに分かれて進行。イベントの模様や参加者の方々の声をピックアップしてお届けします。 主催診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ(長野県軽井沢町)「症状や状態、年齢じゃなくって 好きなことする仲間として出会おう」をコンセプトに、大きな台所を起点とし、2019年訪問看護ステーション、2020年に在宅医療(外来・訪問診療)・共生型通所介護・医療型短期入所事業含め全事業開始。運営元:医療法人社団オレンジHP: http://hotch-l.com/Instagram: https://www.instagram.com/hotch_lodge/企画・司会・進行藤岡 聡子(ふじおか さとこ)さん「老人ホームに老人しかいないって変だと思う」と問いを立て24歳で創業メンバーとして有料老人ホームを立ち上げ、アーティスト、大学生や子どもたちとともに町に開いた居場所づくりを実践。2015年デンマークに留学し、幼児教育・高齢者住宅の視察、民主主義形成について国会議員らと意見交換を重ね帰国。「長崎二丁目家庭科室」主宰(豊島区椎名町)、2019年より長野県軽井沢町にて「診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ」を医師の紅谷と共に開業し共同代表。共著に『社会的処方(2019学芸出版社)』『ケアとまちづくり、ときどきアート(2020中外医学社)』。 「文化の再生、リ・ビルディング」 馬場 拓也さん(社会福祉法人愛川舜寿会/神奈川) 写真左:ほっちのロッヂ共同代表 紅谷氏、写真中央:社会福祉法人愛川舜寿会 馬場氏、写真右:ほっちのロッヂ共同代表 藤岡氏 一つ目のセッションは、「文化の再生、リ・ビルディング」。互いに医療や介護の資格を持たない立場で福祉法人や医療法人の運営をしている馬場さんと藤岡さんの視点から、ケアのWell-beingが語られました。実家が牧場で、アパレル業界で働いていた馬場さん。アパレル業界にいたころから、「この人のために行動したい」と思い立つとすぐに行動されてきましたが、福祉の現場でも同様とのこと。 人と人とのつながりをつくると、その地域の文化に手が届いていくこと。そして、「つながりを緩やかに作る」ことの大切さも語られました。医療福祉の現場においては、力んで頑張りすぎると疲れてしまったり、落差を感じたりしてしまうことも。「厚切りハムを出してしまいがちだが、すぐに自分がすり減ってしまう。薄切りハムで少しずつ出していく」「長距離マラソンとしてとらえる」といったわかりやすい喩えもあり、会場には笑顔が。 「今の日本は、下りのエスカレーターを上っているようなもの。だからこそ、上ったときには達成感が得られる」というお話もあり、聞き手に一体感が生まれていました。 「私たちのWell-beingとケア」 松波 龍源さん(実験寺院寳幢寺 僧院長/京都) 写真左:実験寺院寳幢寺 僧院長 松波龍源氏、写真中央:ほっちのロッヂ共同代表 藤岡氏、写真右:ほっちのロッヂ共同代表 紅谷氏 二つ目のセッションに登場したのは、「実験寺院 寳幢寺」の僧院長である松波さん。松波さんは、伝統に縛られることなく、現代のリアルな生活に基づいた仏教の進化を目指しています。仏教における「空(くう)」の考え方や、現状の日本における医療・宗教の立ち位置や課題などについて語られました。 例えば、次のような提言がありました。主に「医師は身体をみる」「宗教家は精神をみる」側面があるが、片方だけでは成り立たないのではないか。医療従事者は哲学者ではないが、生死の問題には哲学の要素が絡んでくるのではないか。病気や障害などによって痛みがあるから即座に不幸とはいえず、逆に医療行為によって痛みが取り除かれたから幸福ともいえないのではないか。 ケアの現場ではなかなか語られづらい宗教との関係性について、深く考えさせられた本セッション。人の身体と精神、両方をあわせた幸福を目指すために試行錯誤をし、医療従事者と僧侶が相互に働きかける意義や可能性について対話されました。 社会的共通資本、理論と実践のいま 占部 まりさん(内科医・宇沢国際学館代表取締役・日本メメントモリ協会代表理事/東京) 写真中央:内科医・宇沢国際学館代表取締役 占部まりさん 最後に登場したのは、日本が誇る経済学者の故 宇沢弘文氏の長女である占部まりさん。占部さんは、生命をはじめとした大切なものをお金に変えない「社会的共通資本」の理論構築を目指した宇沢氏の研究内容を世の中に伝える活動を行っています。社会的共通資本(自然環境、社会インフラ、制度資本)の考え方に加え、医療や介護も社会的資本であること、これらを国だけではなく地域で守る重要性などが語られました。 また、内科医として地域医療に携わる占部さんご自身の体験や考えも共有されました。例えば、自身が医療的ケア児と関わる中で感じた「アート」の持つ力と可能性について。医療的ケア児は医療数値からみると「弱い」と捉えられてしまいますが、医療数値は人間のほんの一部分しか見ていないのではないか。医療的ケア児が生み出すアートから感じられるエネルギーや、エネルギーをもらった人たちが生み出す活動などを踏まえた「強さ」があるのではないか、といった示唆も。 質問コーナーでは、「アートと医療・ケアの結びつきについてもっと知りたい」といった声から活発なディスカッションが生まれました。また、ご自身の経験から「変わった人と思えた人が実は重要な役割を担っていたり、そのときわからなかったものが種になっていて、数十年後に花開いたりすることもあるのでは」といった意見もあり、感嘆のため息が聴こえました。 聞き手のことば 最後に、会場にいらした聞き手の方々の感想もご紹介します。 なんとなく考えていたことが言語化されて腑に落ちた 私は現在、障がい者施設でヘルパーとして働いています。最近まで高齢者施設で在宅支援をしているなかで、利用者さんご本人だけではなくご家族を含めたつながりの大切さや、そういったつながりがケアの充実にもつながるという体験をたくさんしてきました。ほっちのロッヂの藤岡さんや舜寿会の馬場さんのお話を伺いたくて、今日ここに来ました。馬場さんの「人とつながり、関わっていくと、その地域の文化に手が届くようになる」というお話は、私が在宅支援をしてきた際に感じたことと同じだったので、とても共感しました。また、「厚切りのハム」に例えられた話も面白かったですし(笑)、本当にそのとおりだと思いました。利用者さんに充実した生き方をしてほしい、という思いがあって、どんどん厚切りになっていっちゃうんですよね。「なんとなくそうなっちゃいけないな」とは感じていたんですが、言語化していただけて腑に落ちる瞬間がありました。ケアの視点だけじゃなくて、人と人とのつながり、自分の家族や自分の地域とのつながりの中でも意識していきたいと思えるお話が聴けて、充実したときを過ごせました。 自分たちの今後の活動のヒントに 私は在宅医療の「医療と介護をつなぐ」しくみづくりの部署で働いています。ほっちのロッヂ共同代表の紅谷先生の講演やイベントにも何度か参加しています。私の仕事も地域づくりや在宅医療、意思決定支援などにつながる部分があるので、何かヒントを得られないかと思い、参加させていただきました。松波さんのお話を聴く中では、私たちも地域の宗教家の方たちを巻き込んで何かやっていけないか?と、新たなヒントをいただきました。 この空間にケアされている感覚があった 私は、福祉・介護に興味のない若者のコミュニティづくりや学びの場づくりをしています。忙しい日々を生きていると、自分自身や周りの人が次第にすり減っていくように感じることがあり、一旦落ち着いて考えたい、語り合いたいという想いもあって、今回参加しました。自分自身がこの場にいることでケアされているような感覚があったのですが、それはきっとお話の内容はもちろんのこと、ここに集まっている方々が持つ価値観・世界観などによるものではないかと思いました。 * * * なかなか面と向かって語り合うことが少ないテーマについて向き合っていた本イベントは、聞き手の心に多くの気づき、ヒントを残したようです。初めて出会う人たち同士が共感しあう瞬間も多く、終了後の聞き手の方々の前向きな笑顔が印象的でした。 取材・執筆・編集: NsPace編集部

ニャースペースのつぶやき
ニャースペースのつぶやき
特集
2024年1月30日
2024年1月30日

漫画「私のために…?」 ニャースペースのつぶやき【訪問看護あるある】

暖かいお宅だなと思っていたら実は… 今回の「訪問看護あるある」は漫画でお届け! 利用者さんやそのご家族が、訪問看護猫のためにあたたかいお気遣いをしてくださることがあるにゃ。優しさが心にしみるにゃ ニャースペース病棟看護経験5年、訪問看護猫3年目。好きな言葉は「猫にまたたび」「わかる!」「こんな『あるある』も聞いて!」など、みなさんの感想やつぶやき、いつでも投稿受付中にゃ!>>投稿フォーム

地域住民の心身の健康のために【訪問看護認定看護師 活動記/東北ブロック】
地域住民の心身の健康のために【訪問看護認定看護師 活動記/東北ブロック】
コラム
2024年1月23日
2024年1月23日

地域住民の心身の健康のために【訪問看護認定看護師 活動記/東北ブロック】

全国で活躍する訪問看護認定看護師の活動内容をご紹介する本シリーズ。今回は、日本訪問看護認定看護師協議会 東北ブロック、戸崎 亜紀子さんのご登場です。訪問看護師になったきっかけや、東日本大震災のご経験、地域のニーズに向き合う活動、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の啓発活動などをご紹介いただきます。 執筆: 戸崎 亜紀子星総合病院 法人在宅事業部長/在宅ケア認定看護師総合病院で急性期看護を経験した後、育児・介護のため一時退職。クリニック勤務を経て星総合病院に入職し、精神科病棟を経験した後、訪問看護ステーションへ。訪問看護ステーション管理者、在宅事業部事務局長、法人看護部長を経て、現職。2009年~ ポラリス保健看護学院 非常勤講師(在宅看護論)2012年~2021年 福島県訪問看護連絡協議会 理事、副会長2015~2016年 福島県看護協会 施設・在宅看護師職能委員会2016年~ 郡山医師会 在宅医療介護連携推進特別委員会メンバー2021年~ 日本訪問看護認定看護師協議会 理事2022年~ 感染管理認定看護師教育課程開設準備 東北ならではの在宅看取り実践事例を紹介 まずは、訪問看護認定看護師協議会の東北ブロックについてご紹介します。東北ブロックの会員数は10名です(2024年1月現在)。少ない人数ですが、年に2回は仙台に集合して研修を行ってきました。近年はオンラインでのミーティングや研修もできるようになり、交通費や移動時間の心配がないぶん、より活動しやすくなっています。 2021年に、協議会では日本財団支援事業として全国 各ブロックで「在宅看取りを実践できる訪問看護師の育成事業」に取り組みました。東北ブロックの私たちもオンラインでの打ち合わせを重ね、研修当日は東北の訪問看護師86名に対して、東北ならではの実践事例を紹介。それを踏まえたディスカッションも行うことができました。これは、認定看護師として力が発揮できたと実感でき、自信になる取り組みでした。 ※参考日本訪問看護認定看護師協議会「2021年度日本財団支援事業(遺贈基金) 在宅看取りを実践できる訪問看護師の育成プロジェクト」 東北ブロック活動報告(PDF) ブロック活動では、悩みや境遇が近い認定看護師同士でディスカッションでき、刺激を受けることや励まされることが多くあります。今後もっと仲間が増えることを切に願っています。 「家に帰りたい」患者さんのために さて、ここからは私自身の経験や活動内容についてもお話ししていきたいと思います。 私が訪問看護を始めたきっかけは、当時ナースバンク(現福島県ナースセンター)からお知らせのあった「訪問看護婦養成講座」です。「ブランクの不安解消になるのでは」という安易な気持ちで参加したのですが、その講座で介護保険や訪問看護制度を知ったことが、私の転機になりました。 急性期病院で働いていたとき、「家に帰りたい」と言いながら病棟で息を引き取っていった終末期の患者さんたちを数多く看てきましたが、仕方のないことだと思っていました。それが「今の時代なら自宅に帰してあげられるんだ」と知り、衝撃を受けたのです。 「ぜひ訪問看護をしたい」と現在勤めている法人に就職し、病棟で精神科看護を経験したのち、訪問看護ステーションに異動となりました。精神科訪問看護や介護保険での高齢者の訪問、在宅看取りに携わりました。 3.11東日本大震災を経験。災害への想い 私が訪問看護認定看護師になったのは、訪問看護ステーションに勤めて4年目の2010年のこと。退院調整でがん性疼痛看護認定看護師と協働する機会があり、彼女に大きな刺激を受け、44歳で認定看護師になったのです。 学んだことを活かしてより深くアセスメントできるようになり、やりがいをもって活動していた矢先、2011年に東日本大震災と原子力発電所の事故が起きました。当地は津波こそない地域でしたが、震度6弱の揺れにより自宅が全壊判定となる被害を受け、余震と放射能の恐怖や先の見えない不安のなか、無我夢中で日々を送りました。 星総合病院 被災写真(2011年3月12日撮影)。スプリンクラーが作動し、二次被害も危惧されたため、300人以上の患者さんは全員避難。当日のうちに、法人の関連病院や地域の急性期病院に振り分けた そのような状況下で私が前を向くことができたのは、認定看護師教育課程の先生や同期の仲間、その他大勢の方々が心を寄せてくださったおかげです。そして、自分の看護を待っている方がいることも、大きな支えでした。突然病気や障害を抱えることになった患者さんの気持ちと、突然被災した自分を重ねることも度々ありました。被災者になってみて、看護のもつ力、例えばそばにいること、見通しに関する情報を提供すること、関心を寄せ続けることなどが大きな力になると実感し、この経験から数多くのことを学びました。 実は震災の2年前、「宮城県沖地震(1978年)が再来する確率80%以上」といわれていました。そのため、当時所属していた部署で阪神・淡路大震災や新潟県中越地震が起きた際の訪問看護ステーションの事例を読み合わせし、対策を検討する機会を持ちました。この会を通じて、電話がつながらなくなり安否確認に苦労した話や、波打った道路や崩れた塀などで夜間の訪問が危険になった話を知り、当時できることを検討して取り組みました。そのうちのいくつかは、東日本大震災の時に現実に。「念のため」と思って対策していたことが、まさかこれほど短期間のうちに役に立つとは、思いもよりませんでした。 近年は「想定外の災害」「命を守る行動を」といった言葉を、頻繁に耳にするようになりました。新型コロナウイルスのパンデミックも災害といえます。「大丈夫だろう」ではなく、「起きるかもしれない」と自分事として考えておくこと。そしてBCPを作成しておくこと。私はこれらの大切さを、身をもって実感しています。 今年度(2023年度)に日本訪問看護認定看護師協議会がBCP作成支援事業に取り組むことになり、私は担当理事になりました。BCP作成に対して億劫なイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に役に立ちますし、必要なものです。参加した事業所のBCP作成をしっかりと支援すべく、委員一同本気で取り組んでいます。 地域のニーズに応え、幅広く活動 訪問看護ステーションに勤めている間に、所属する法人が「看護師特定行為研修機関」になり、私も研修を受講できました。地域で働く看護師こそ、これにより裁量権が増えて活躍できるのではと、心躍りました。 ※参考:公益社団法人 日本看護協会 「特定行為研修制度とは」 当時、当法人では「医療機関ではあるが、もっと地域のニーズを拾い、できることをしよう」と在宅事業部事務局を創設することになりました。そこに私が異動することになり、「法人の看護職がもっと地域のニーズに向き合い、看護の視野を広げ活躍できるように」という想いを抱きながら、法人在宅事業部事務局長に就任しました。総合病院に籍を置きながら、現在でも地域の方々と数多くの接点を持ち、「つながっていく」ための活動をしています。 「懸け橋メイトミーティング」 2019年、星ヶ丘福祉タウンでの懸け橋メイトミーティングの様子 市内地域の訪問看護ステーションや病院の退院調整担当者、そしてケアマネジャーを巻き込んで、多職種連携研修を行っており、「顔の見える」関係構築につながっています。 コロナ禍もオンラインやハイブリッド方式で継続し、年に3回程度実施しています。 「どこでもメディカルセミナー」 特別養護老人ホームにて演習付き講義を行った際の様子 地域の医療介護従事者に向けた出張型研修プログラム。地域との連携強化につながっています。申込者と職員とのマッチングをし、研修をコーディネートをしています。 「オレンジカフェ☆キラリ」 オレンジカフェにて人生会議に関する健康教室を開催した際の様子 認知症疾患医療センターと連携した認知症カフェの取り組みです。星総合病院の敷地内で、原則月に2回開催しています。 複数の専門職やボランティア、学生等が参加しており、健康体操、健康講座などのイベントをあわせて開催しています。 2019年のお花見ツアー企画 カフェ常連の認知症当事者の方と介護者・スタッフとで、お花見ツアーも行いました。 写真に写っている認知症当事者の方(右)の一言が発端で、お花見が実現しました。 コロナ禍で中断したものもありますが、これら以外にも精神科の患者さんやお子さんを対象としたイベントも含め、数多くの取り組みを行ってきました。 こうした活動を通して、地域住民の方がぽつりぽつりと健康相談・介護相談・認知症の相談をしてくださるようになりました。見知らぬ人同士が出会って、信頼関係ができ、いろんなつながりができる。訪問看護の経験が大きく活きる活動でした。 「あなたらしい生き方」を支えるために 最後に、私が注力してきたACP(アドバンス・ケア・プランニング)に関する活動もご紹介します。 これまで、たくさんの高齢者や終末期の利用者さん、そのご家族との出会いがありましたが、皆さんそれぞれに文化や思いがあります。こちらの常識で決めつけてはいけないということ、看護職が行う情報提供の必要性や、看護職だからこそできる情緒的なサポートの重要性、そして、看取り支援をするためには、ヘルパーやケアマネジャーと情報を共有し、チームで利用者さんとご家族を支えることがとても大切なのだと学びました。 患者さんや地域住民だけでなく、病院職員も含めたすべての人にACPの啓発活動をしていくべきとの思いから、2018年に法人内の事務職やセラピスト、医師も含めACPプロジェクトチームを創設しました。 ACPプロジェクトチームは少しずつ活動を広げ、今も法人各施設から多職種を委員として選出して定例会を実施しています。全職員向けの研修会、新入職員研修での「もしバナカードゲーム」を用いたACP啓発活動や、地域住民向けの出前講座なども行っています。2020年にはACP啓発ツール「未来への手紙」~ACPのすすめ~の作成と配布を開始しました。 参考: 公益財団法人 星総合病院 ACPプロジェクトチーム Webサイト(「未来の手紙」のダウンロードも可能) 2017年の職員向け「もしバナカードゲーム」体験会の様子 社会資源として、地域住民の健康を支える 色々と立場は変わってきましたが、私の活動の判断基準は常に「そのことが地域住民の心身の健康につながるか」です。 人生において「入院患者」としての期間はほんの一部分で、その前後は「生活者」です。私たちが提供する医療や看護は、その方のQOLを良くすることにつながらなければいけないと思っています。当法人は「病気を治療するだけでは人は健康に暮らすことができない。地域が必要とする救急医療・高度医療・専門医療並びに介護・福祉事業の提供をもって地域の公衆衛生の向上に資することを事業として行う」と掲げています。 認定看護師になったばかりの頃、所属法人の理事長から「あなたは社会資源となりなさい」という言葉をいただきました。今後も、自分の言葉、振舞い、活動が少しでも地域住民の健康に暮らすことの一助になるように、活動を続けていきたいと思います。 * * * 最後になりますが、この原稿の校正中に令和6年能登半島地震が発生しました。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。当協議会ができる支援を考え続け、何らかの活動をしていきたいと考えています。少しでも安心と安寧の時間が増えていきますように。 ※本記事は、2024年1月時点の情報をもとに構成しています。 編集: NsPace編集部

訪問看護認定看護師 活動記/九州ブロック
訪問看護認定看護師 活動記/九州ブロック
コラム
2024年1月16日
2024年1月16日

地域の出前講座で訪問看護を普及【訪問看護認定看護師 活動記/九州ブロック】

全国で活躍する訪問看護認定看護師の皆さまの活動内容をご紹介する本シリーズ。今回は、日本訪問看護認定看護師協議会の九州ブロック、安部 美保さんの活動記です。安部さんは、訪問看護ステーション管理者で、大分県訪問看護ステーション協議会 副会長でもあります。大分県内の訪問看護ネットワークについてや、地域市民の方々向けの出前講座への取り組みなどをご紹介いただきます。 執筆:安部 美保保健師・助産師学科を卒業後、地元の総合病院へ入職1997年 病院併設の訪問看護ステーション開設と同時に管理者となる。2012年 訪問看護認定看護師資格取得2020年~ 日本訪問看護認定看護師協議会九州ブロック長2022年~ 一般社団法人 大分県訪問看護ステーション協議会 副会長 月に1回の「おしゃべり会」開催 日本訪問看護認定看護師協議会九州ブロックの体制は、九州・沖縄の8県の会員で構成されています。会員数は、2023年11月現在で24名です。ブロック長1名と大分・福岡・佐賀・熊本・鹿児島からそれぞれ1名の委員が選出されており、研修会・交流会の企画運営などを中心に、ブロック活動を行っています。 2008年9月に西日本で初めて訪問看護認定看護師教育課程が大分県立看護科学大学看護研究交流センターに開設されました。そのため、九州やその近県に住む方は受講がしやすくなり、当時、九州内の訪問看護認定看護師も増加傾向にありました。しかし、2013年3月で大分の教育課程が閉講となったこと、経験豊かな訪問看護認定看護師が定年を迎え認定更新をしない方が増えてきたことなど、さまざまな要因が重なって、九州ブロックの会員数は、この5年間で10人程度減少しています。 年1回開催してきた研修会・交流会は、会員が開催地に集合し、顔を合わせて語り合うことのできる貴重な場となっていました。コロナ禍以降もリモート開催や対面・リモートのハイブリッド開催で継続してきましたが、会員数の減少と相まって、参加者が増えない状況がここ数年続いています。このように衰退していく状況を何とか打開したいという思いで、ブロック役員で話し合いを繰り返し行いました。 アイデアを出し合った結果、今年の7月から月1回、会員なら誰でも自由に参加できるリモートでの会議、通称「おしゃべり会」を定期的に開催することになりました。おしゃべり会を地道に開催していくうちに、これまで会員であっても交流のなかった方々が参加され、顔見知りが増え、それぞれの貴重な活動の報告が聞けて、新たな交流が生まれています。 「おしゃべり会」の会話の中で、「今年度の研修会に、ぜひ聖路加国際大学大学院看護学研究科教授の山田雅子先生に講演をお願いしたいね」という話が出ました。お忙しい先生に九州に来てもらうのは難しいのではと思ったのですが、山田先生から快く講師を受けていただくことができました。今から、先生の講演会をみんな楽しみにしています。 協議会の機能充実。大分の訪看ネットワーク 続いて、私が管理者を勤めている「訪問看護ステーションくにさき」も所属している、一般社団法人大分県訪問看護ステーション協議会(以下、協議会)の活動についてもご紹介します。 以前、協議会は大分県医師会が事務局を執り行う任意団体でしたが、6年前に法人化し、一般社団法人となりました。法人化後は、大分県看護研修会館内の一室をお借りして、事務員を一人雇用して活動を始めました。現在の協議会加入訪問看護ステーション(以下、ステーション)は135ヵ所で、大分県内の約70%のステーションが入会しています。会長の強いリーダーシップにも支えられ、この6年間で運営もスムーズになり、協議会機能も充実してきています。その成果の一つとして、今年度、法人化して初めて大分県から「訪問看護就職ガイダンス・インターンシップ事業」を受託できました。行政からも信頼される法人へと成長した証と喜んでいます。 加入ステーションはビジネスチャットでつながっており、事務局や会員からのタイムリーな情報提供があり、情報伝達・情報共有がスムーズです。また、県内を2次医療圏単位で分けて11の支部を作り、支部から理事を任命。支部長も兼ねてもらいます。支部ごとで定期的な支部会・研修会など活動を行っており、顔の見える関係ができています。 このネットワークのお陰で、訪問看護の実務でも協力しやすくなったという声があがっているほか、BCP策定にも役立っており、支部単位で協力してBCPを作り上げているところもあります。今後もさらに会員同士が交流でき、協力し合える協議会に発展していくことを願っています。 出前講座で訪問看護を普及 私は生まれ育った地元で訪問看護を30年以上おこなっています。30年前は医療職でさえ「訪問看護って何?」という人が大半なほど知名度が低かったことを覚えています。それが今では、訪問看護師の地道な努力の成果もあり、医療・介護・保健にかかわる方で訪問看護を知らない人はいない状況になってきています。 ただ、一般市民の方々の訪問看護の認知度はまだまだ低いと感じています。このような中で、長年地元で訪問看護をさせてもらい、訪問看護認定看護師の資格まで取得することができた私の役割は、地域住民に訪問看護を普及させることだと考えています。そうすれば、必要な方が必要な時に訪問看護を利用することができるという思いがあります。 出前講座の様子 それを実現するため、地域への出前講座を8年ほど前からはじめました。地域サロン活動から依頼を受けて、訪問看護の普及啓発に力を入れています。「そんないい制度があるとは知らなかった。必要になったらお願いしたい」といった声も聴かれています。地道な活動ですが、今後も続けていきたいと思っています。 * * * 訪問看護は、今後ますます在宅の場で必要とされ、発展していく分野です。人が本来生活する場所である自宅での暮らしを支え、自分らしく生き抜こうとする方たちを一緒にサポートしていきましょう。訪問看護はやりがいのある仕事ですよ。 ※本記事は、2023年11月時点の情報をもとに構成しています。 編集: NsPace編集部

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