みんなの訪問看護アワード2023

受賞作品漫画「担当看護師からパパママ友へ」
受賞作品漫画「担当看護師からパパママ友へ」
特集
2023年8月9日
2023年8月9日

受賞作品漫画「担当看護師からパパママ友へ<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、櫛野 秀原さん(ウィル訪問看護ステーション江東サテライト/東京都)の審査員特別賞エピソード「担当看護師からパパママ友へ」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「担当看護師からパパママ友へ」前回までのあらすじ鎖肛のお子さん(優太くん)のケアに入っていた訪問看護師の櫛野さん。佐藤さん夫婦と対話を重ね、試行錯誤しながら訪問していました。互いを支え合う佐藤夫婦を尊敬していた櫛野さん。櫛野さん自身もパパになることがわかり、早速佐藤さんに報告しました。 >>前編はこちら受賞作品漫画「担当看護師からパパママ友へ<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 担当看護師からパパママ友へ<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:櫛野 秀原(くしの しゅうげん)さんウィル訪問看護ステーション江東サテライト(東京都)今回の受賞は、佐藤優太くん(仮名です)のお母さまも喜んでくださいました。私のケースのように、看護師としてだけではなく、一人の人として接してもらえるのは、利用者さんとの距離が近い訪問看護師という職種の醍醐味だと思っています。私は、どんどん若い世代の看護師さんたちも在宅医療の世界に飛び込んで来ていただきたいと思っており、そう思えるような訪問看護の魅力が伝えられたら…と考えて応募いたしました。エピソードやこちらの漫画を読んでいただき、少しでもそういった魅力が伝わるとうれしいです。 [no_toc]

受賞作品漫画「担当看護師からパパママ友へ」
受賞作品漫画「担当看護師からパパママ友へ」
特集
2023年8月8日
2023年8月8日

受賞作品漫画「担当看護師からパパママ友へ<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、櫛野 秀原さん(ウィル訪問看護ステーション江東サテライト/東京都)の審査員特別賞エピソード「担当看護師からパパママ友へ」をもとにした漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 担当看護師からパパママ友へ<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「担当看護師からパパママ友へ<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:櫛野 秀原(くしの しゅうげん)さんウィル訪問看護ステーション江東サテライト(東京都) [no_toc]

心なごむエピソード
心なごむエピソード
特集
2023年7月25日
2023年7月25日

心なごむエピソード【つたえたい訪問看護の話】

訪問看護では利用者さんへ安心を届けることも仕事のうちですが、一方で利用者さんやご家族、周囲の方から癒しや微笑ましい反応をいただくこともあります。「みんなの訪問看護アワード2023」の投稿から、気持ちが伝わり心なごむエピソードを4つご紹介します。 「コロッケパンに想いを込めて」 周囲の人への感謝の気持ちと「皆に喜んでもらいたい」という利用者さんの想いが伝わる微笑ましいエピソードです。 退院後、内服管理で訪問看護利用になった心不全のAさん、79歳。3人のお子さんを立派に育て上げられ、奥さんが亡くなっても自宅を1人で守ってこられている。お薬や病院が嫌いで「もう入院はイヤだ」が初回訪問で既に口癖になっていた。朝食後の内服確認と思い訪問していたが、冬の訪問では寒くて起きられず、朝食をまだ食べられていないという日も多々見られていた。そのとき、毎回のように食べられていたのがコロッケパン。最初はたまたまかな?と思っていたが、訪問するたび食べられていることに気付く。なんでだろう?ただ好きなだけなのか?それとも何か思い入れがあるのか?スタッフの想像は膨らむばかり。そんなお話が娘さんの耳に入ると、娘さんはふふっと微笑まれる。「これ見てください」娘さんのバッグの中にはコロッケパンが1つ。「いつも私、これをもらうんです」。そして数日後の訪問で他者に伝えられた言葉は「コロッケパンは大好物」という言葉。深い意味はなくとも大好物をお土産に渡すために準備してあるのかなぁと心和んだ。そして今日もコロッケパンを口に運んでいる。 2023年2月投稿 「謎」 大人は時に子どもの発言に驚かされることも。くすっと心なごむエピソードです。 訪問看護を始めて半年ほど経った頃、小学校の特別支援学級へ排泄指導のために伺っていました。訪問時間が、学校のお掃除の時間にかかってしまったため、支援級の前で対象のお子さんを待っていたところ、廊下の向こう側から、一年生くらいの小さな男の子が私の方へ向かって真っ直ぐに歩いてきます。そして、私の前でピタッととまり話しかけてきました。『お友達のお母さんと勘違いしたのかな?』と思ったその時、「ねぇ、何年生?」「何年生なの?」と。たしかに、ジャージ姿にリュックを背負って、服装はカジュアルだったのですが…。その直後に、対象のお子さんが私の元へ来てくれたため、小さな男の子は階段を降りて去っていきました。対象のお子さんからは、「看護師さん、小学生に間違われたの?」と大笑いされ、恥ずかしいやら…本当に小学生に間違われたのか、「何年生を待ってるの?」という意味だったのか?未だに謎のままです。 2023年1月投稿 「うちのステーションの強みはかんたき」 ちょっと先走ってしまったけれど、「利用者さん第一」の投稿者さんに心なごむエピソードです。 先日、突然のガン末期診断・BSC方針で、悲しみに暮れている利用者・家族に訪問看護を開始しました。退院翌日にコロナを発症し、がん性疼痛について相談したくても、電話診療の対応しかない、コロナ陽性状態での訪問開始でした。PPEを付けての書面のやりとり、簡単な説明で、不安でいっぱいそうな母娘。現場では長く説明してられないけどとにかく安心してもらいたい。そんな時私が言えたことは「コロナでこんな格好だけども私たちは訪問に来ます」「電話ならいつでもしてください」「どうしても家でみるのがしんどい日は、よかったら私たちがやっているお泊りもできるかんたき(看多機)にきてね、私たちがみるからね」という言葉。少々無責任さもあるかとは思いながらも、言ってしまった!でもその時の娘さんの表情ったら、すごく明るくなって、安心した感じで、「うちにかんたきがあってほんとよかった!」って思いましたよ。うちの管理者様、ここまでのかんたき立ち上げのご苦労見てました。ありがとうございます!ちょっと先走って話したけど、きっと許してくれますよね?いつもそうだもの。 2023年1月投稿 「近くの母より遠くの祖母」 日々連絡を取り合う家族のやりとりやお孫さんと利用者さんの発言に、思わず笑顔になるエピソードです。 その高齢の女性はC型肝硬変により去年8月に肝切除術を受けられ、腹水穿刺を繰り返されている。咽頭がんで発語が困難な息子さんとの2人暮らし。東京に娘さん夫婦と中学3年生の野球少年のお孫さんが住んでいる。年に1回お正月以外の帰省は難しく、毎日夕食が終わる時間に娘さんから電話があるという。お孫さんの話になり、娘さんから「お母さん、僕お母さんのこと大好きなんだ」と言われたとのこと。マザコンじゃないかと心配になったそうだ。ある日の電話で「僕、お母さんより好きな人がいるんだ」とお孫さんから言われたそうでマザコンじゃなかったと思い安心したそうだ。その理由は「僕、お母さんよりおばあちゃんが大好きなんだ」と言われたそうで嬉しかったという話を涙目で話される。「でもね、一緒に住んでないからいいおばあちゃんでいられるのよ」と少し怖いことを笑って言われたのが印象に残っている。 2023年2月投稿 言葉や行動で届ける相手への気持ち どれだけ自分が思っていても言葉や行動で示さないと周囲には伝わらないのが人の気持ちです。 今回のエピソードでは真っ直ぐ伝えることもあれば、少し言葉を濁したり照れ隠し気味に伝えたりとさまざまでしたが、どこか人間味溢れ愛嬌を感じるものばかりでした。日々のコミュニケーションも楽しみながら、仕事に臨んで行きたいですね。 編集: 合同会社ヘルメースイラスト: 藤井 昌子

漫画「人生最高のラブレター」
漫画「人生最高のラブレター」
特集
2023年7月19日
2023年7月19日

受賞作品漫画「人生最高のラブレター<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、高倉 陽子さん(帝人訪問看護ステーション株式会社 望星台訪問看護ステーション厚木/神奈川県)の入賞エピソード「人生最高のラブレター」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「人生最高のラブレター」前回までのあらすじ 間質性肺炎を患い、在宅酸素療法を行っていた利用者の中川さん。奥様は、ご自身の病気がありながらも献身的に介護をしていました。次第に中川さんの症状は悪化し、余命3ヶ月と宣告…。悩みながらも在宅で最期を迎えることを選択しました。 >>前編はこちら受賞作品漫画「人生最高のラブレター<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 人生最高のラブレター<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:高倉 陽子(たかくら ようこ)さん帝人訪問看護ステーション株式会社 望星台訪問看護ステーション厚木(神奈川県)受賞のご連絡をいただいたとき、たまたまその場に同僚たちがいる状況だったので、みんなで一緒に驚き、喜びました。エピソードを書くにあたっても、内容や表現について所長や同僚に相談し、たくさんのアドバイスをもらったので、みんなでとった賞だと思っています。また、漫画化していただいたことで、色々な方々にこのエピソードを知っていただけることになり、とてもうれしく思っています。 [no_toc]

漫画「人生最高のラブレター」
漫画「人生最高のラブレター」
特集
2023年7月18日
2023年7月18日

受賞作品漫画「人生最高のラブレター<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、高倉 陽子さん(帝人訪問看護ステーション株式会社 望星台訪問看護ステーション厚木/神奈川県)の入賞エピソード「人生最高のラブレター」の漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 人生最高のラブレター<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「人生最高のラブレター<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:高倉 陽子(たかくら ようこ)さん帝人訪問看護ステーション株式会社 望星台訪問看護ステーション厚木(神奈川県) [no_toc]

漫画「そうだ、訪看がある」
漫画「そうだ、訪看がある」
特集
2023年7月5日
2023年7月5日

受賞作品漫画「そうだ、訪看がある<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、梁井 史子さん(愛全会 訪問看護ステーションとよひら・ちゅうおう/北海道)の審査員特別賞エピソード「そうだ、訪看がある」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「そうだ、訪看がある」前回までのあらすじ二年前に乳がんを発症した訪問看護師の梁井さん。つらい治療を乗り越えたものの、再発…。悲しみに暮れていましたが、「私の人生は私のものだ!!」とがんに立ち向かっていくことを決意しました。頼れる親族がいない梁井さんは、かつて働いていた訪問看護ステーションを頼ることに。 >>前編はこちら受賞作品漫画「そうだ、訪看がある<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 そうだ、訪看がある<後編> 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師/訪問看護ステーション管理者。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。>>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1) エピソード投稿:梁井 史子(やない ふみこ)愛全会 訪問看護ステーションとよひら・ちゅうおう(北海道)今回、審査員特別賞をいただいたこと、漫画化していただいたことは、がんと付き合いながら生きていく上で大変励みになっています。同僚や友人たち、私を担当してくれた理学療法士さんなどは自分のことのように感激してくれましたし、病棟で働く友人が受賞エピソードを周囲に共有してくれて、訪問看護と接点がない方にも知っていただけました。また、表彰式をきっかけに首都圏在住の友人たちと再会でき、審査員の先生方や違うエリアで働く訪問看護師さんたちから、さまざまなお話を聞くこともできました。今回学んだことは、ぜひ今後の仕事に生かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。 [no_toc]

漫画「そうだ、訪看がある」
漫画「そうだ、訪看がある」
特集
2023年7月4日
2023年7月4日

受賞作品漫画「そうだ、訪看がある<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、梁井 史子さん(愛全会 訪問看護ステーションとよひら・ちゅうおう/北海道)の審査員特別賞エピソード「そうだ、訪看がある」の漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 そうだ、訪看がある<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「そうだ、訪看がある<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師/訪問看護ステーション管理者。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。>>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1) エピソード投稿:梁井 史子(やない ふみこ)愛全会 訪問看護ステーションとよひら・ちゅうおう(北海道) [no_toc]

漫画「利用者さんは私の先生」
漫画「利用者さんは私の先生」
特集
2023年6月21日
2023年6月21日

受賞作品漫画「利用者さんは私の先生<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、中島 絵理子さん(一般財団法人同友会 藤沢訪問看護ステーション/神奈川県)の審査員特別賞エピソード「利用者さんは私の先生」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「利用者さんは私の先生」前回までのあらすじ訪問看護師 中島さんのご近所に住んでいた利用者の野坂さん。元々は小学校の先生で、毒舌ながらも教え子に慕われていました。定年を迎えた野坂さんは、フリースクールを開こうとしている矢先に難病であることが発覚して…。>>前編はこちら受賞作品漫画「利用者さんは私の先生<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 利用者さんは私の先生<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:中島 絵理子(なかじま えりこ)一般財団法人同友会 藤沢訪問看護ステーション(神奈川県)今回審査員特別賞を受賞したこと、所属ステーションの上司・先輩たちも一緒になって喜んでくれました。訪問看護師をしつつ看護学校の先生をしている先輩は、授業で私のエピソードを取り上げてくれたとのこと。「学生さんが共感してたよ」と教えてもらい、とてもうれしく思っています。また、生まれて初めて立派なトロフィーをいただき、子どもに「ママすごい!」と言ってもらえたことも嬉しかったです(笑)。訪問看護をしているなかで、皆さんに伝えたいエピソードはたくさんあるので、ぜひまたチャレンジしたいと思います。 [no_toc]

漫画「利用者さんは私の先生」
漫画「利用者さんは私の先生」
特集
2023年6月20日
2023年6月20日

受賞作品漫画「利用者さんは私の先生<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、中島 絵理子さん(一般財団法人同友会 藤沢訪問看護ステーション/神奈川県)の審査員特別賞エピソード「利用者さんは私の先生」の漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 利用者さんは私の先生<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「利用者さんは私の先生<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:中島 絵理子(なかじま えりこ)一般財団法人同友会 藤沢訪問看護ステーション(神奈川県) [no_toc]

アワードトークセッション
アワードトークセッション
インタビュー 会員限定
2023年6月20日
2023年6月20日

訪問看護師になった理由&訪問看護の魅力【特別トークセッション 後編】

2023年3月24日(金)に、銀座 伊東屋 HandShake Lounge(東京都中央区)にて開催した「みんなの訪問看護アワード2023」表彰式。ファシリテーターに東京医科歯科大学国際健康推進医学 非常勤講師の長嶺由衣子さんを迎え、受賞者の皆さんとの特別トークセッションが開催されました。ここでは、トークセッションの内容をピックアップしてご紹介。後編の今回は、訪問看護師になったきっかけや、訪問看護の魅力についてディスカッションされた内容をお伝えします。 >>前編はこちらみんなの訪問看護アワード 投稿のきっかけは?【特別トークセッション 前編】 【ファシリテーター】長嶺 由衣子(ながみね ゆいこ)さん東京医科歯科大学国際健康推進医学 非常勤講師 【登壇者】村田 実稔(むらた みのる)さんウィル訪問看護ステーション江東サテライト(東京都)「みんなの訪問看護アワード2023」入賞投稿エピソード「ちょっと早めの金婚式」 長尾 弥生(ながお やよい)さん白川訪問看護ステーションこだま(岐阜県)「みんなの訪問看護アワード2023」入賞投稿エピソード「104歳の日常」 梁井 史子(やない ふみこ) さん愛全会 訪問看護ステーションとよひら・ちゅうおう「みんなの訪問看護アワード2023」入賞投稿エピソード「そうだ、訪看がある」 >>エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】>>表彰式の模様はこちらみんなの訪問看護アワード2023 表彰式イベントレポート【3月24日開催】 ※以下、本文中敬称略※本記事は、2023年3月時点の情報をもとに構成しています。 訪問看護師になったきっかけは? 長嶺: 受賞者の皆さんに、少しエピソードから離れた質問もしていきたいと思います。まずは長尾さん、どうして訪問看護師になろうと思われたのでしょうか。 長尾: 私は何をやっても仕事が長続きしなくて(笑)。デイサービスやヘルパー、特養(特別養護老人ホーム)や老健(介護老人保健施設)勤務なども経験しましたが、一番しっくりきたのが訪問看護だったんです。今まで一番長く勤めた職場で5年半、短いと半年で辞めていました。訪問看護はもう10年続いていますから、一対一で利用者さんとゆっくり向き合える仕事が、性に合っていたのだと思います。 長嶺: 同じステーションの他の方の勤務年数はいかがですか? 長尾: 今の勤め先は、勤務年数が長い人が多いですね。人間的に素敵なスタッフが多く、利用者さんも楽しい方が多いというのも、継続しやすい理由だと思います。 長嶺: 村田さんはいかがでしょうか。 村田: 私は、実習で訪問看護が一番楽しいと感じたからですね。他の職場で働いても、最終的には、訪問看護に行きたいと思いました。特に訪問看護の実習で印象に残っているのが、ALSの患者さんが、人工呼吸器をつけるかつけないかを検討していた場面です。訪問看護師さんが、「その後のご家族の負担やご本人の要望もふまえて検討したほうがよい」と利用者さんやそのご家族に寄り添っていました。利用者さんの「生活」優先であることや、利用者さんのやりたいことを叶えようという視点を持つ訪問看護が、魅力的だと思いました。 長嶺: 村田さんは、看護師4年目だそうですが、同期で訪問看護師さんをやっている方はどれくらいいますか? 村田: 少ないと思います。一般的に、若い看護師が訪問看護をするのは難易度が高いと思われているので。同年代の訪問看護師は、ステーションに1~2人ぐらいですね。今はe-learningで学べる教材も充実しているので、私としては若手も訪問看護で活躍してほしいですし、若手の流入で訪問看護業界がもっと盛り上がるといいなと思っています。 「そうだ、私を待っている人がいる」 長嶺: 梁井さんは、訪問看護師になってどれぐらいですか。 梁井: 8年目になります。それ以前は10年ほど室蘭の総合病院で働いていたのですが、母親も高齢になり、このまま総合病院で働くべきなのかどうか、迷っていました。そんなとき、親友のケアマネジャーが、「訪問看護がいいんじゃないか」「あなたを待っている人が、きっと必ずどこかにいる」と言ってくれたんです。私は、信頼している友人の言葉に弱くて(笑)。「そうだ、私を待っている人がいる!」と思って、訪問看護師になりました。 長嶺: エピソードのタイトルにも「そうだ」と入っていましたが、「そうだ」がキーワードなんですね(笑)。 では、訪問看護のやりがいや魅力について、3人に伺いたいと思います。長尾さんはいかがでしょう。 長尾: やはり、利用者さんに最期まで寄り添えることにやりがいを感じています。寄り添うためには利用者さんの日常生活に入り、価値観を受け入れることが大事で、その時間があるからこそ、その方らしい最期をサポートすることにつながっていくのではないかと思っています。この仕事を長く続けてきて、私はそういう点がしっくりきました。 長嶺: 一人ひとりの日常を見つめること大事にされているんですね。村田さんはいかがですか? 村田: 私も長尾さんと似ています。利用者さんのお家に伺い、日常に寄り添えることが訪問看護の一番の魅力だと思います。また、例えば薬剤についても、病棟と異なり利用者さんの意向に沿って内服していただくケースもありますし、病院看護とは違ったケアがあるんだなと勉強になります。 長嶺: なるほど。梁井さんはいかがでしょう。 梁井: 私もお二方の考え方と似ていますが、病院ではどうしても治療が優先ですから、誤解を恐れずに言うと患者さんに我慢してもらわないといけないことがあります。でも、訪問看護師の目標は、「利用者さんが希望されていることをどう叶えるか」だと思うんです。 また、急性期時代は意見の相違で医師と喧嘩してしまったこともありましたが、訪問看護では自分主体で仕事ができる場面が多く、その点もこの仕事の魅力だと思います。 長嶺: 治す、治さないだけではない、訪問看護の楽しさや醍醐味がありますよね。こんなに面白くてやりがいのある仕事なのに、看護師全体のなかでは訪問看護師は約5%程度しかいません。どうすれば、訪問看護師の魅力が伝わると思いますか? 長尾: 難しいですね。在宅を理解されていない病棟の看護師さんも多いと思うんです。病院の看護師さんに向かって、魅力を伝えていくのがいいと思いますが。 村田: 若手の友人に訪問看護やろうよと誘うと、「人のお宅で看護することに抵抗がある」と言われてしまいます。「まずは、病院で経験を積みたい」といった声もあります。私自身は、訪問が楽しいですし、利用者さんやそのご家族に、孫や友人だと思っていただけるような寄り添い方をしたいと思っています。気負い過ぎずに訪問看護にチャレンジしてくれる若手が増えたらいいなと思います。 梁井: 学生さんが、訪問看護に実習で来る場合がありますが、「このステーションでの働き方を見て、訪問看護をやろうと思いました」という方もいらっしゃいましたね。そんな実習で来た学生さんに、「あなたを待っている人がいる」と言うのがいいのではないかなと思いました。 一同: (笑) 長嶺: 「あなたを待っている人がいる」は、殺し文句ですね(笑)。フロアにいらっしゃる方で、何かご意見はありますか? 「まずは病棟で5年」が若手の訪問看護への壁 佐藤理恵さん(受賞者): 神奈川県の藤沢訪問看護ステーションで訪問看護師をしています、佐藤と申します。私も若手に訪問看護に入ってもらいたいと思っています。人気のある俳優の方が美容師役で主演ドラマをやると、美容業界が盛り上がる、検事役で着ていたダウンジャケットが売れるなどの現象があります。ですから、訪問看護師を主役にしたドラマをしてほしいと思いますね。さわやかな女優さんに主人公を演じていただいて。 長嶺: ありがとうございます。確かに最近は、救命救急医や薬剤師といった医療従事者の職業にフィーチャーしているドラマもありますね! 他の方は、いかがですか? 広田奈都美さん(漫画家/看護師): 私は静岡県の訪問看護ステーションで管理者をしています。色々なところで講演をさせていただき、看護学生さんたちに「訪問看護師になりましょう」と呼びかけるのですが、看護学校の先生が「病棟で5年間は勤務しないと無理なんですよ」と止めることがあるんです。そこをまず、「大丈夫なんですよ」というふうに啓蒙していけるといいなと思います。 長嶺: なるほど。さまざまなご意見をありがとうございます。では、皆さんに今後の抱負を伺いたいと思います。 長尾: 白川町では65歳以上の高齢者の割合が46%を超え、2045年には70%になるという試算が出ています。でも、訪問看護ステーションの母体である白川病院 院長が在宅医療に対して理解があるので、心強いです。町全体として人と人の距離感が近く、助け合いや情報共有も盛んです。今日聞けた貴重なお話も参考にしながら、がんばっていきたいと思います。 村田: 今回こうした機会をいただいて、もっと若手の方が「訪問看護をやりたい」と思える話ができればよかったなと思っています。来年も入賞を狙いたいと思います。 梁井: 私の抱負は、1日でも長く生きて、1日でも長く訪問看護師をすることです。 長嶺: 皆さん、本日は本当に有意義なお話を、ありがとうございました。 執筆: 高島 三幸 編集: NsPace編集部 【参考】〇厚生労働省.「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2023年5月11日)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/20/dl/gaikyo.pdf 〇岐阜県.「統計からみた白川町の現状」(2023年6月19日)https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/343330.pdf 〇国立社会保障・人口問題研究所.「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」https://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/t-page.asp

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